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[戦評]浦和に上昇の兆し。ポンテの“変化”が好循環を生んだ

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[3.14 J1第2節 浦和1-0F東京 埼玉]

田村修一の「視点」

 こういうと失礼だが、浦和レッズはようやく“普通のサッカー”ができるようになった。以前の浦和はメンバーは良くても、素材の良さを生かすサッカーができていなかったが、この日の試合を見る限り、変わってきた。

 フィンケ監督のやりたい、ボールも人も動くサッカーが選手たちに浸透し、どうプレーすればいいのかが整理されてきた証拠だろう。意識改革が進んだといえる。

 柏木が入ったことで変わったと思われるサポーター、読者もいるかもしれない。もちろんそれもあるが、何よりポンテの“変化”が大きい。

 これまではどうしても司令塔タイプのため、ポンテがボールを持ってドリブルし、周りがポンテに合わせて走るという形が多かったが、この日のプレーはシンプルだった。自分で仕掛けるところと、シンプルにはたいて、もう一度動き直してボールをもらうといったプレーができていた。

 たしかに、前節の鹿島戦は内容が良くなかったが、それは相手が強すぎるから。昨年より良いサッカーができているのは間違いない。今後、柏木がさらにらしさを発揮し、チームにフィットしてくれば、もっと魅力的な攻撃ができるのではないか。昨年より上位に食い込む可能性が出てくると思う。

 対するFC東京は持ち味のアグレッシブさが出ていないように感じられた。もともと前からプレスをかけて、奪って速い攻撃を仕掛けることが売りだったが、少し引きすぎに感じた。プレスにも激しさがなかった。ポゼッションサッカーを志向し、まだそれが完成されていないからだろうが、持ち味のアグレッシブさは、忘れてはいけないと思う。

<写真>浦和MFポンテ
(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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