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[ACL]鄭大世がイエロー&レッド-GL残り全試合出場停止も

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[3.23 ACL第3節 川崎F4-0メルボルン・ビクトリー 等々力]

 格下が相手とはいえ、効果的にゴールを奪って4-0で勝利した川崎フロンターレ。ACL初勝利で最下位脱出、今季公式戦初の完封と“良い事ずくめ”のようだが、素直には喜べない。鄭大世が最悪の場合、グループリーグ残り3試合を出場停止となる窮地に追い込まれた。

 「きょうは落ち着いてプレーすることを心掛けたが、一瞬の怒りでやってしまった。チームメートに頭が上がらない。サポーターの誰とも目を合わせられない。自分の性格を悔やむしかない。みんなへどう謝罪していいか分からないし、言葉も見つからない。申し訳ない」

 先制点を決めて勝利に貢献した鄭大世だが、目はうるみ、まるでオウンゴールでも犯して敗因を作った選手のような表情だった。初戦の城南一和(韓国)戦でイエローカードを1枚受けていたストライカーだが、前半34分に倒れされた相手に詰め寄り、累積2枚目のイエローカードを受けた。これで次節31日のメルボルン戦(アウェー)の出場停止が決まった。

 さらに前半ロスタイム、鄭大世は激しいチャージで倒されて、ピッチで悶絶。その際、相手選手側が起こそうと手を引っ張ってきた際に、報復する形で蹴りを食らわせて一発レッドカード・・・。鄭大世は担架に乗ったまま退場となった。今後の規律員会の裁定次第だが、4月14日の城南一和戦(等々力)はもちろん、グループリーグ残り全3試合に出場停止になる可能性が出てきた。

 たしかに、この日のサウジアラビア人審判の判定には首をかしげざるおえなかった。少しの接触プレーで笛が鳴り、微妙な判定でも容赦なくイエローカードが出された。この日、出された警告は8枚で、一発レッドカードは1枚だったが、カードの枚数ほどの“激しい試合”ではなかった。経験豊富な稲本潤一でさえ、「あり得ないジャッジが出ていた。当たるとすべてファールだった」と首をかしげるほどだった。

 とはいえ・・・。稲本は「いらないプレーだった」と注意した。鄭大世はロッカールームで「申し訳ない」とチームメートへ謝罪した。許されるべきプレーではなかったと自覚し猛省。取材中も最後まで反省の言葉が口をついた。

 「自分の存在で(チームが)大きく左右される場面もある。責任を持ってやらないといけない。僕ができるのは、自分が出られる試合で全力で、結果につながるゴールを奪うことだけ。ACLでは、みんなにオレの分も頑張ってもらうしかない。練習からチームを鼓舞できるようにして、ACLで勝ってもらうように神頼みします」

 今後は、チームメートが奮闘し、1次リーグを突破することを祈るしかない。だが、ただでさえ、開幕2試合を連敗しグループリーグ突破が苦しくなっているだけに、点取り屋の不在は痛すぎる。

 ましてやジュニーニョ、中村憲剛が怪我で離脱中。守備陣もCBの寺田、菊地が不在と苦しい台所事情にある。FW矢島も怪我で離脱しており、ACLではポストプレーヤーは不在となった。今こそ再び、チームが結束するしかない。

<写真>退場となった川崎F・FW鄭大世
(取材・文 近藤安弘)


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