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W杯メンバー入りを争う平山と興梠がゴールも結果は痛み分け

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[4.10 J1第6節 F東京1-1鹿島 味スタ]

 J1第6節は10日、各地で7試合を行い、味の素スタジアムではFC東京鹿島アントラーズが対戦し、1-1で引き分けた。F東京は前半4分、FW平山相太のPKで先制したが、鹿島も同39分にFW興梠慎三が同点ゴール。W杯メンバー入りを争う両エースがゴールを決めたが、チームは勝ち点1ずつを分け合った。

 F東京は日本代表を負傷辞退したDF今野泰幸が先発。左サイドバックにはDFキム・ヨングンが入り、DF長友佑都は右に回った。GK権田修一、4バックは右から長友、森重真人、今野、キム。中盤は徳永悠平と羽生直剛のダブルボランチで、右に石川直宏、左に松下年宏が入り、前線は平山相太と重松健太郎が2トップを組み、ルーキーの重松が公式戦初先発を飾った。
 鹿島はDF内田篤人が強行先発し、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田、岩政大樹、イ・ジョンス、新井場徹と並んだ。中盤は小笠原満男と中田浩二のダブルボランチで、右に野沢拓也、左に遠藤康。FWマルキーニョスが出場停止の2トップは興梠慎三と大迫勇也のコンビだった。

 立ち上がりからホームのF東京が積極的に仕掛けた。鹿島ゴールに迫り、前半3分にCKを獲得すると、松下のキックのこぼれ球からPA内で今野が野沢に倒され、PKを獲得。これを平山が落ち着いてゴール左に決め、F東京が幸先良く先制した。

 鹿島も直後に大迫がシュートを放ち、3本連続でCKを獲得するなど反撃に出る。しかし、前半9分、小笠原のCKに合わせたイ・ジョンスのヘディングはGK権田が好セーブを見せ、ゴールを許さない。

 その後は中盤でつぶし合う展開となり、両チームにチャンスらしいチャンスが生まれない。互いに最後の部分で攻めあぐね、ミスも出るなど拮抗した時間が続いた。

 それでも鹿島は一瞬の隙を逃さなかった。バイタルエリアにぽっかり空いたスペースで小笠原がボールを持つと、迷わず右足で強烈なミドルシュート。GK権田が弾いたボールを興梠が押し込み、試合を振り出しに戻した。

 F東京も前半41分、右サイドを突破した石川のクロスを松下が折り返し、ゴール前の平山にボールが渡ったが、左足のシュートはミートし切れない。試合は1-1で後半に折り返した。

 後半9分にはF東京に絶好機が訪れた。羽生の絶妙な浮き球スルーパスに石川が抜け出し、ゴール前にクロスを送ると、鹿島がこれをクリアミス。ボールはフリーの重松のもとに転がってきたが、シュートはゴール左に外してしまう。

 一進一退の攻防はどちらかが完全に流れをつかむということもなく、時間だけが進む。鹿島は後半16分、遠藤に代えて負傷から復帰したMFフェリペ・ガブリエルを投入。同20分、前半から再三オーバーラップを見せていた新井場が左サイドを駆け上がって折り返すと、興梠がつないでフェリペ・ガブリエルがシュートを放ったが、GK権田が弾いた。

 ともに勝ち越しゴールがほしい両チーム。F東京は後半22分、重松に代えてFWリカルジーニョを投入し、鹿島は同34分、大迫に代わってFW佐々木竜太がピッチに入った。F東京は同37分に石川がDF椋原健太に交代。長友が右サイドハーフにポジションを上げた。

 F東京は後半39分、リカルジーニョが左サイドから上げたクロスボールをファーサイドでフリーになった平山がヘディングシュートを狙うも、コースが甘く、GKがキャッチ。同43分にはカウンターからリカルジーニョがドリブルで駆け上がったが、シュートは決め切れなかった。

 結局、試合は1-1で終了。互いに最後まで走り切る好ゲームだったが、結果は痛み分けとなった。

<写真>鹿島FW興梠
(取材・文 西山紘平)

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