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[ACL]川崎Fが3-0で快勝しGL突破に前進。憲剛もついに復活!

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[4.14 ACL GL5節 川崎F3-0城南一和 等々力]

 AFCチャンピオンズリーグは14日、グループリーグ第5節2日目を行い、E組3位の川崎フロンターレはすでに決勝T進出を決めている城南一和(韓国)と対戦。GL突破へ勝たなければいけないプレッシャーの中、開始4分にMF谷口博之が先制弾を決めるなど攻撃が爆発し3-0勝利した。

 下あご骨折で離脱していたMF中村憲剛も復帰し、3点目の起点となるなど元気な姿を見せた。この日の勝利で勝ち点を6とした川崎Fは、GL最終節(4月28日)に同7で2位の北京国安戦(アウェー)に勝てばGL突破となる。

 川崎Fは鄭大世が累積警告で欠場したが、司令塔のMF中村憲剛がベンチ入り。怪我人が多い中、この上ない明るい材料となった。システムは4-3-3でGKは川島永嗣、DFラインは右から森勇介、寺田周平、伊藤宏樹、小宮山尊信が入った。中盤はアンカーが稲本潤一、2列目が田坂祐介と谷口博之、3トップは右からMFレナチーニョ、黒津勝、登里享平が務めた。

 対する城南一和は、4-5-1を採用。予選突破は決まっているが、エースの元甲府FWラドンチッチ、ブラジル人MFファブリッシオらほぼベスト布陣だった。

 中村憲剛の復活もあって、ホームのスタンドは試合前からサポーターの大声援に包まれた。そんな応援を背に、川崎Fが早い時間に先制点を奪った。前半4分、PA前で田坂、レナチーニョとつながったボールを最後はMF谷口博之が豪快に右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

 城南一和はフィジカルの強さとラドンチッチの高さ&テクニックを生かして攻めた。だが、川崎Fは谷口がボランチ気味に下がって対応した。ただラドンチッチに入ると、怖い攻撃が展開された。前半12分、右クロスに反応、頭一つ抜けていたが、合わなかった。同18分にはゴールエリア左で右足でシュート。枠に入っていたが、ここは何とかGK川島がファインセーブをみせて防いだ。

 川崎Fはこの日は田坂が好調。ドリブルとパスがさえわたった。レナチーニョもテクニックを生かして再三の突破をみせた。そして前半21分、試合を優位に進める追加点を奪った。PA中央やや左でのFKを、田坂祐介が右足で壁7枚を抜いてゴール。コースは少し甘かったが、スピードとやや落差のあるボールで相手GKの手を弾いて突き刺した。

 その後も川崎Fが優位に試合を進める。前半29分にはPA右で田坂が黒津のポストプレーから抜け出して突破した。さらに同35分、田坂がPA右でDF2人を交わしてクロス。これは黒津が押し込んだが、オフサイドだった。前半は川崎Fの2-0で折り返した。

 後半、城南一和はキム・ジンヨンに代えてチョ・ジェチョルを投入した。川崎Fはメンバー交代はなかった。後半は城南一和がやや押し気味に試合を進めた。ロングボールを使って縦に速い攻撃を仕掛けてきた。開始1分、川崎FのDF寺田周平が相手選手にファールを犯し、イエローカードをもらった。これで累積2枚で次節の出場停止が決まった。

 一進一退の攻防が続いたが、セカンドボールの拾い合いで川崎Fは劣勢となり、カウンターを食らう場面が増えていた。それでも、稲本を中心になんとかブロック。川崎Fも黒津、レナチーニョのスピードを生かして、サイドからカウンターアタックを仕掛けた。

 後半21分、ついにMF中村憲剛が登場した。田坂に代わって起用され、トップ下に入った。そもそも2月23日のアウェー城南一和戦で負傷しただけに、因縁の復帰となった。またこのとき、登里に代わってヴィトール・ジュニオールが入った。

 まだ決して万全とはいえないはずだが、中村憲剛がすぐさま、決定的な仕事をしてみせた。ピッチ中央付近で、右足で前線の黒津に絶妙の浮球スルーパス。黒津は快足を飛ばしてゴールに向かうと、PA内で倒されてPKを獲得。これをレナチーニョがきっちりと決めて3-0と試合を決定づけた。ゴール後、8日に第2子の長女が生まれた憲剛を中心に、ゆりかごダンスが披露された。

 このゴールで勢いづいた川崎Fは、ボールをつなぐ時間が増えた。中村憲剛を中心に、サイドのレナチーニョ、ヴィトール・ジュニオールを使いながら攻めていった。後半37分、稲本に代わってMF横山知伸が入り、そのままアンカーに入った。

 その後も、憲剛はブランクを感じさせないパスで試合を作った。後半38分には右サイドからクロスを上げると、ロスタイムには右サイドから中央へ走り込んだレナチーニョにスルーパスを出し、決定機を演出した。これはシュートが外れたためゴールにはつながらなかったが、今後のチーム力の上昇を期待させる内容となった。視察に訪れた日本代表の岡田武史監督も喜んだはずだ。試合はそのまま3-0で勝利した。

 この日は同じくE組で2位通過を争うメルボルン・ビクトリーと北京国安の試合が行われたが、0-0の引き分けに終わった。この結果、勝ち点6で3位の川崎Fは、同7で2位の北京国安(アウェー)との最終戦(4月28日)に勝てば、文句無しでグループリーグ突破が決まる。

(取材・文 近藤安弘)

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