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[C☆voice_6]慶應義塾大MF河井陽介「今年次第で自分がどこにいけるかが決まる」

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 大学サッカー界の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「College star voice」。第6回は昨年、U-20日本代表として、国際試合でJリーガーたちを上回る大活躍をしてのけた慶應義塾大の10番、MF河井陽介選手(3年=藤枝東高)だ。静岡の名門、藤枝東高時代に全国高校選手権で準優勝するなど、高校時代から注目を集めてきたゲームメーカーはすでに2年時から特別指定選手として清水エスパルスにも登録。「結果にこだわる」3年目への意気込みとは?


―きょう(4月17日)の早稲田大戦(1-0)を終えて
「この内容で勝ち点3を取ったことは大きい。ただ、きょうは前線でボールが収まらなかったし、中盤で優位に立つこともできなかった。攻撃に関してはきょうは全然ダメ」

―今年の慶應はシステムが大きく変更された
「3ボランチのシステムでリスクは昨年よりも少ないし、カウンター狙いの相手に対しては昨年ほど苦しむことはないと思う。ただし、ウラ狙いのスタイルで昨年に比べると見ている人が面白いと感じる試合をすることは難しいかもしれない。はまったら『いける』と自信をもっていける試合もあるけど、まだまだダメ。DFラインは安定しているので、あまりやられる気はしない。あとは攻撃。ウラを狙いつつもどれだけ主導権を握れるか」

―攻撃にかける枚数が少なくなったことで河井選手にかかる負担も大きくなった
「(司令塔役だった、中町、織茂の両MFが卒業し)今年は自分がリズムをつくることをやらないと。できればFWにボールをおさめてもらって、自分は前向きで(ボールを)もらいたい。自分が前を向くとチームももっと仕掛けられる。でも、きょうの早稲田のようにボランチ2枚が上がらずに2人で監視されるとキツイ。トップ下のポジションは相手にとって狙いやすいと思う。ただ、そこをかわす技術をつけないと、大学レベルでも厳しい。今後、下位のチームにマンマークされるのはしょうがないと思うので、そこでどうかわすか。自分としても、チームとしても自信をつけて明治や中央といった相手にどれだけできるか試したい」

―昨年はU-20日本代表での活躍が目立った
「U-20が一番よかったですね。特に(A代表監督の)岡田さんに見てもらえたときはトップ下で使ってもらって、ボールも思ったところに来ていたし、楽しく出来た。ただし、トップ下で使ってもらえたからいいプレーができたけど、Jリーグにいけばトップ下がないクラブもある。プレーの幅を広げていかないといけないと感じた」

―今年は五輪代表も始動すると思うが、やはり意識はする?
「代表にいけば、タメ年の選手の現状が分かる。実際にあの中に入ってやってみて、やれないことはないということは分かった。自信になった。慶應という枠だけではなく、五輪(代表)で刺激を受けて成長していかないといけない」

―試合で河井選手を観る人にはどの点を見てもらいたい?
「リズムをつくるところと相手のマークの外し方を見てほしい。狭いところでも前を向くところ、そして今年は得点ですね」

―大学3年目のシーズンはどのような1年にしたいか
「今年はシーズン通してどれだけできるかを試したい。それ次第で来年、自分がどこにいけるかが決まる。自分は将来プロでやってみたい。だから今年は大事な年。後悔しないようにやりたい。試合では周りを活かすことを常に意識しているけれど、きょうの試合なんか、もう少し貪欲にシュートを打てるところまでいってもいいのかなと思う。もっと貪欲に。そしてとにかく、ケガをしないこと。つまらないことで休まないようにして、シーズンを通してしっかり活躍して結果を残すこと。1試合の結果で一喜一憂しないで前を向いてやっていきたい」(取材日:4月17日)

(取材・文 吉田太郎)

連載:
「College star voice」

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