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川崎Fが3トップそろい踏み弾で神戸に快勝。17歳小川は初先発も不発

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[4.24 J1第8節 川崎F3-0神戸 等々力]

 J1第8節の1日目が24日に各地で行われ、川崎・等々力陸上競技場では川崎フロンターレヴィッセル神戸が激突。川崎Fは前半5分にFWレナチーニョのPK弾で先制すると、後半にはFW黒津勝、FW鄭大世がゴールし3-0で勝利した。神戸は鼻骨骨折のFW大久保嘉人を後半から入れたが、無得点に終わった。

 川崎Fはいつも通り4-3-3システムを採用。メンバーは中村憲剛が先発復帰し、中盤の構成を変更。稲本潤一をアンカーに、2列目に中村憲剛、田坂祐介が入った。他は前節と同様のメンバーだった。

 対する神戸は4-4-2システムを採用。鼻骨骨折の大久保嘉人はベンチスタートだったが、17歳のユース選手、FW小川慶治朗がクラブ史上最年少で初先発を果たした。DFラインが前節と変わり、左SBにFWの茂木弘人が入った。(先発メンバー)

 前節の浦和戦に0-3で完敗した川崎F。今節は順位が下の神戸が相手だけに、確実に勝利したいところだった。そんな中、幸先良く先制点を奪った。前半5分、PA内で黒津勝が倒されてPKをゲット。これを前節の浦和戦では失敗しているレナチーニョがきっちり決めて1-0とした。

 その後も川崎Fのペースで試合が進む。神戸はポポの仕掛けを起点に、元川崎Fの都倉賢へのハイボール、17歳小川のスピードを活かして攻めようとするが、なかな崩せない。前半9分、ポポの左クロスに朴康造が飛び込むが、これはオフサイドとなった。

 川崎Fは前半19分、鄭大世がドリブル突進、そのこぼれ球をPA手前で黒津が拾ってシュート。しかし、わずかに外れた。神戸は22分、PA手前で都倉が浮球を頭で処理し突進。しかし、すぐさま寺田に倒されて防がれた。寺田はイエローカードを受けた。

 神戸はここで得たPA正面のFKで、チャンスを得る。キッカーのポポの直接キックが壁に当たり、混戦から最後はこぼれ球を朴がゴールネットを揺らしたが、直前のプレーで神戸選手のGKチャージを取られ、幻となった。

 17歳の小川は初先発ながら持ち味を発揮した。前半27分、ロングボールを丁寧に落として朴のシュートを導き、その後も、スピードを生かして、スペースを突く動きを何度か見せていた。それでもゴールは遠い。ボールを支配する川崎Fが再び決定機を作る。

 前半36分、右CKの場面で中村憲剛のキックを鄭大世がヘディングシュート。ミートはしたが、たたきつけすぎてワンバウンド。GK榎本の正面をついてしまった。さらに1分後、黒津がPA前でパスを受けて左足シュート。得意の形だったがふかしてしまった。さらに同44分、中村憲剛の浮球パスを鄭大世が胸トラップからシュート。しかし、GK榎本にセーブされた。前半はこのまま折り返した。

 後半、神戸は都倉に代えてFW大久保嘉人を投入した。ここで何とか、まずは同点としたいところだったが、開始4分に、川崎Fが貴重な追加点を奪った。

 浮球を中村憲剛がヘディングで跳ね返し、PA右の鄭大世のもとへ。そのままドリブルでしかけてDF引き付け、走り込んできた黒津勝にパス。レフティーが効き足できっちりと決めて2-0とリードを広げた。

 大久保は鼻骨骨折を感じさせない、白熱プレーを披露。積極的に動き回った。神戸は後半16分、17歳の小川に代えて吉田孝行を投入。2トップの一角に入れた。

 神戸は後半19分、右クロスに大久保が飛び込みヘッド。しかし、ボールが高く、ボールにわるのが精いっぱい。大久保は転倒し、鼻が痛いのか、顔をしかめていた。

 後半33分、川崎Fがダメ押し弾を奪った。レナチーニョの縦パスに鄭大世が跳び出し突進。この際、神戸DF河本裕之に倒され、PKをゲット。河本は一発退場となった。川崎FのPKキッカーはレナチーニョだが、この場面では倒された鄭大世が懇願してキッカー役に。ポスト右隅に当ててひやりとさせたが、何とか決めて3-0と突き放しに成功した。

 神戸は後半34分、朴に代えてDF石櫃洋祐を投入。川崎Fは同35分、稲本に代えて谷口博之を投入。その1分後には黒津に代えてヴィトール・ジュニオールを入れた。その後、神戸は縦に速い攻撃を仕掛けて攻め込もうとするが、うまくいかない。川崎Fがボールを回し続けた。

 ロスタイムは3分。川崎Fは1分後、MF中村憲剛を下げ、MF横山知伸を投入。DFラインの前に据えて、相手の攻撃をブロックに入った。その後も川崎Fはボールを支配。神戸は何とかボールを追い回すが、試合はそのまま川崎Fの3-0で終了。3FWがゴールを決め、前節の0-3完敗を吹き飛ばす勝利となった。

<写真>川崎F・FW鄭大世
(取材・文 近藤安弘)

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