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[連載]南アへカウントダウン!(20)俊輔、コンディション上々。W杯使用のブレ球ミドルもテスト

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南アフリカW杯開幕まであと34日!
[5.8 J1第11節 浦和2-3横浜FM 埼玉]

 体調が戻りつつあり、司令塔から笑みがこぼれた。左足痛など満身創痍だった横浜F・マリノスのMF中村俊輔だが、気温24度の中で3連戦最後の試合もフル出場。「暑くなかったよ。連戦はいいね。(週1試合だと月曜日の練習の)走りがきついからね」と軽口も飛び出した。

 本調子には遠いが、前半6分、PA左でタメを作って渡邉千真にパス。先制点をお膳立てした。またこの日はミドルシュートを連発。後半35分には、ブレ球のミドルシュートのテストも試みた。

 「ブレ球がもうちょっとかな。もうちょっとワンステップで打てるようにしないとね。もう少し人が前にいても、ワンフェイク入れて、それでもいいボールを打てるようにしないと。世界では、そうでないと止められるから」

 やや思ったよりスピードとブレ具合が甘かったようで、GK山岸にファインセーブされたが、怪我も回復しつつあり、いろんなことを試す“余裕”も生まれたのは事実だ。たしかに、意表を突くようなミドル弾は重要だ。世界基準を見据えながらプレーできるまでに、フィジカルコンディションが戻りつつあるのは朗報だ。

 いよいよ10日はW杯メンバーの発表。これについて俊輔は「まあ、きょうはね。それよりアウェーでレッズに勝てたことが大きい。これを京都戦でも続けないとね」と言葉を濁し、次戦15日の京都戦の必勝を口にした。

 そもそも、Jリーグに帰ってきたことも、試合勘を取り戻すため。当然、W杯メンバー発表を意識しているが、マリノスへの感謝もあり、Jリーグで勝利することに集中している。子供のころからそうだったように、目の前の壁を一個ずつ乗り越えることで、その先に栄光があると信じている。必ずやトップフォームに戻し、周囲の批判や“偏見の目”を必ず、封じ込めるつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

※今連載ではJリーグ取材時にW杯を目指す日本代表選手を取り上げていきます

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