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W杯監督インタビュー:フランス代表レイモン・ドメネク

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W杯出場チーム監督インタビューの第9回目はフランス代表を率いるレイモン・ドメネク監督。大会を前に中国にも敗れるなど批判にさらされている同監督は大会でどう指揮するのか?

─これまでの4年間、フランス代表の監督を務めておられますが、代表の成績は芳しくなく、UEFA欧州選手権2008(EURO2008)ではグループステージを突破することさえできなかったため、多くのマスコミから“フランスサッカー界の嫌われ者”と称されていますが、これについてどうお考えですか?
「事実をお話しましょう。私がパリの街中を散歩していたとき、攻撃してくる人はいませんでした。ただ、サインを求める人は数百人もいましたが。数日前、地下鉄で出かけましたが、地下鉄の運転手は私を見かけると、操縦室に招き入れてくれましたよ。フランス人は私に大変好意的です。マスコミが報道する私のイメージと現実の私とは大きな隔たりがあります。当然ながら、他の監督と同様、監督となったからにはこういうこと(批判)にも慣れなければならないと思っています。これも監督の仕事のうちですから」

─フランス代表が今回のW杯出場を決めるまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。プレーオフで、ティエリ・アンリが“神の手”を犯したため大会出場を決めたものの、組み合わせ抽選会では熾烈な論争に巻き込まれ、シード権を失ったフランス代表は、苦境に立たされることになりました。フランス代表に対する外界からの懐疑的な視線について、どうお考えですか?
「フランス代表の選手たちはもうすでに慣れっこになっています。サポーターの期待に応えられなかった場合、必ず批判されます。W杯の到来により、選手たちが再びマスコミから注目を浴びています。私の役目は、選手たちを守ることであり、選手たちが試合そのものに集中できるようサポートすることです。後は、選手自らが力を発揮するのを見守るだけです」
─フランス代表の主力CBであるウィリアム・ガラスが、今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝バルセロナとの試合で、左足ふくらはぎにケガをし、その後ずっと休んでいる状態ですね。ガラスのケガはフランス代表のディフェンスに影響しますか。もし彼が欠けたら、誰が代わりに出場しますか?
「私が今一番頭を痛めているのは、まさにガラスの問題です。彼はフランス代表がキャンプをしているアルプスの近くで代表のトレーナーとともに個人トレーニングをしています。彼のケガの具合からすれば、日々のトレーニングはいずれも挑戦であり、検査でもあり、踏ん張るかゲームオーバーとなるかのどちらかしかないのですが、彼は良くやっていると思います。ガラスが回復しないことが確実となった場合には、MFジェレミー・トゥラランをディフェンダーとして使うのも悪くないと思っています」

─アンリはフランス代表の中で最も有名な選手であり、これまで何度もW杯に出場しているため非常に経験豊富ですが、現在の彼のコンディションはあまり芳しくありません。長い間、リーガエスパニョーラやUEFAチャンピオンズリーグではバルセロナのメンバーとして試合に出場していません。監督の先発メンバー構想の中ではアンリをどのように使うつもりですか?
「アンリは確かに長い間、試合に出ていません。これは彼のプライドを傷つけています。我々は彼にプライドを取り戻してもらうようにします。アンリは必ずや持てる力を発揮してくれると信じています。ただ、W杯の先発メンバーの構成については、試合への準備状況や選手一人一人のコンディションを見て決める必要があると思います」

─2006年のW杯準備期間に、監督はフランスのサポーターに対し、「決勝戦当日に、フランス代表のプレーを見てほしい」と言いましたが、最終的に本当に代表チームを率いて決勝に進みました。今回のW杯の開催が間近ですが、チームにどのような成績を期待していますか?
「そうですね。当時、フランス代表は決して前評判が良くありませんでしたが、スペイン、ブラジル、ポルトガルなど強豪を次々と破り、決勝戦に進みました。今回も同じように、決勝戦まで駒を進めることができると思いますが、全てを決定するのは選手たちです」


(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

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