W杯出場チーム監督インタビューの第29回目はコートジボワール代表を率いるスベン・ゴラン・エリクソン監督。今年3月に突如監督就任が発表されたばかりで、実質、全員の指揮を執るのは数週間という状況だが……。

―グループGは誰もが認める「死の組」ですね。ブラジルとポルトガルは強豪ですし、北朝鮮は神秘のベールに包まれたチームです。同グループの他の3チームをどう見ていますか?
「一番の目標は、グループリーグを突破することです。当然ながら、これは多くのチームの夢です。これをやり遂げるのは容易ではないことは解っています。グループGには世界で最も素晴らしいチームであるブラジルとポルトガルが含まれています。私はイングランド代表を率いて、W杯でこれら2チームと対戦したことがありますので、彼らの怖さは知っています。北朝鮮代表にも注意が必要です。現時点では彼らに注目する選手はいませんが、彼らは素晴らしいプレーができます。彼らは既に6ヵ月もの間トレーニングを積んでいますから、フィジカルの面でも他のチームより優れています」

―監督ご自身長年ヨーロッパで監督をされてきましたが、その経験を生かして、コートジボワール代表を「死の組」の中で生き残らせることはできるのでしょうか?
「W杯や欧州選手権(EURO)のような大会から多くのことを学びました。コートジボワール代表の監督を務めることは、私にとっては大きな挑戦です。しかし、引き受けたからには、私の力で優秀なチームに育て上げなければなりません。3試合とも非常に厳しい試合になることが予想されますので、整然としっかりとした準備を進めなければなりません。ブラジルは優勝候補ですが、我々はグループ第2位だと思います。準々決勝に進むことができれば、アフリカサッカーとしてワールドカップで大きな成功を収めることになると思います」

―怪物ディディエ・ドログバについてお聞かせください。彼の能力はどの代表チームのDFからも恐れられています。
「W杯に参加するチームにはいずれも、一人か二人、試合をリードする選手がいます。我々の場合、それがドログバです。彼はまさに試合をリードする選手です。今シーズンで、彼はイングランド・プレミアムリーグ及びUEFAチャンピオンズリーグで30以上の得点を上げています。これは奇跡的な結果です。W杯でも同じことをしてくれることを期待しています」

―アフリカチームについて言えば、天性の資質以外に、よりキーポイントとなるのはチームワークがスムーズに行くかどうかという問題です。現在のコートジボワール代表内部のチームワークはどうですか?
「このチームには偉大な選手が少なくありませんが、それが偉大なチームであることの証明にはなりません。はっきり言えば、チームプレーが嫌いな選手もいます。このような問題を克服し、全てが正常に進むようにするのが私の任務です。私は3ヵ月ぐらいの期間を費やして選手の間の溝を埋めてきました。新しい監督にはできないことです。彼らは20日間でW杯への調整をしなければならないのですから」

―監督がアフリカの貧しい国に高額の報酬を要求したとの報道がありましたが、事実ですか?
「それは違います。私の報酬はカペッロの半分にも足りません(カペッロ監督は、イングランド代表監督就任期間中に600万ポンドの年俸を獲得していた)。しかし、私にとってそれは問題ではありません。報酬には何の不満もありません。今最も重要なのはW杯で好成績を挙げることです」

―最後に監督は5年間、イングランド代表の監督を務めておられましたが、今回のW杯におけるイングランド代表の先行きはどうなるでしょうか?
「ブラジルとスペインが依然として今回のW杯優勝候補ではありますが、イングランドにも非常に大きなチャンスがあると思います。コートジボワールで彼らと対面できれば良いですね。なぜなら、それは我々が準決勝に進んだことを意味するからです。この権利は手放したくありません。イングランド代表を前にして、私から何も証明できることはないと思います。私が監督をしていた5年間、彼らのプレーは素晴らしかったです。また、ウェイン・ルーニーは非常に優れた選手です。シーズン中のプレーも完璧でしたし、彼はイングランド代表の中で最も重要な選手です。イングランド代表は少なくともベスト4入り、さらには決勝に残るのではないかとも思います」

(取材・文　馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会特集
└全監督インタビューリスト
W杯最強ガイドブック
└最終登録メンバーにアップデータ付き