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ビジャの2発で初戦黒星のスペインが勝利

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[6.21 W杯グループリーグH組 スペイン2-0ホンジュラス エリスパーク]

 W杯南アフリカ大会は21日、大会11日目を迎え、ヨハネスブルクのエリスパークではスペインとホンジュラスが対戦した。ともに初戦で敗れたチーム同士の対決はスペインが前半17分にFWダビド・ビジャのゴールで先制。後半6分にもビジャが追加点を挙げ、2-0の快勝で今大会初勝利を飾った。

 初戦でスイスに0-1で敗れたスペインはFWフェルナンド・トーレスが今大会初先発。FWヘスス・ナバスも初先発し、スイス戦先発のMFアンドレス・イニエスタとMFダビド・シルバがベンチスタートとなった。システムは4-3-3で、GKイケル・カシージャス、4バックは右からセルヒオ・ラモスジェラール・ピケカルレス・プジョルホアン・カプデビラ。中盤はセルヒオ・ブスケツをアンカーに置き、右前にシャビ・エルナンデス、左前にシャビ・アロンソ。3トップは右からヘスス・ナバス、フェルナンド・トーレス、ダビド・ビジャだった。
 ホンジュラスは0-1で敗れたチリ戦から先発3人を入れ替えた。システムは4-2-3-1で、GKノエル・バジャダレス、4バックは右からセルヒオ・メンドーサ、オスマン・チャベス、マイノル・フィゲロアエミリオ・イサギーレと並んだ。中盤はウィルソン・パラシオスとアマド・ゲバラのダブルボランチで、トップ下にダニーロ・トゥルシオス、右にワルテル・マルティネス、左にロヘル・エスピノサが入り、ダビド・スアソの1トップ。トゥルシオス、マルティネス、スアソが今大会初先発となった。

 試合は立ち上がりからスペインが主導権を握り、ホンジュラスを押し込んだ。前半5分、ビジャの左クロスを受けたフェルナンド・トーレスのシュートはミートし切れず、GKがキャッチ。同7分にはビジャが思い切りよくミドルシュートを狙ったが、惜しくもクロスバーに阻まれた。同11分にも左クロスからセルヒオ・ラモスがフリーで決定的なヘディングシュートを放つなどチャンスを量産するスペイン。前半17分、早くも先制に成功した。

 自陣からのピケのロングフィードを左サイドでビジャが受け、そのまま中にカットイン。巧みなドリブルでDF2人をかわしてPA内に進入すると、最後は体勢を崩しながらも右足を振り抜き、ゴール右上隅に流し込んだ。

 前半33分、右サイドをドリブル突破したセルヒオ・ラモスがクロス。ゴール前でフリーのフェルナンド・トーレスがヘディングで狙ったが、下に叩きつけ過ぎた。バウンドしたボールは大きく弾み、ゴール上に外れた。その直後にもPA内でDFをかわしたフェルナンド・トーレスが右足で狙う決定機があったが、シュートは大きく浮いてしまった。

 ホンジュラスは何度かカウンターからチャンスをつくりかけるが、スペインもブツケツが中盤のスペースを巧みに埋め、プジョル、ピケの両センターバックが集中力を切らさない。GKのカシージャスを脅かすような場面はなく、前半はスペインの1点リードで折り返した。

 ホンジュラスはハーフタイムにエスピノサとFWゲオルゲ・ウェルカムを交代。なんとか流れを変えようとするが、後半立ち上がりの6分、スペインが貴重な追加点を奪う。中央からドリブルで駆け上がったシャビが右サイドに展開。ヘスス・ナバスはPA外でフリーのビジャを見逃さず、丁寧なラストパスを送ると、ビジャのシュートはDFチャベスの足に当たって軌道が変わり、ゴールマウスへ吸い込まれた。

 2-0とリードを広げたスペインは余裕の試合運びで中盤を支配し、面白いようにパスをつなぎながら、隙あれば3点目を狙いに行った。そして、後半16分、ヘスス・ナバスがPA内で切り返したところでDFイサギーレに足を引っ掛けられる。西村雄一主審はしっかりとファウルを取り、スペインにPKが与えられた。ところが、このPKをビジャがまさかの失敗。決めればハットトリック達成だったが、右足のキックはゴール右に外してしまった。

 命拾いしたホンジュラスは後半18分、トゥルシオスに代えてFWラモン・ヌニェスを投入。なんとか反撃したいが、同20分のスアソのミドルシュートも左へ外れ、なかなか決定機をつくることができなかった。

 スペインは後半20分にシャビに代わってMFセスク・ファブレガスがピッチに入る。すると、直後の21分、PA内に進入したセスクがドリブルでGKまでかわし、無人のゴールへシュートを流し込む決定機を迎えたが、DFチャベスがなんとかゴールライン上でクリアした。

 後半25分にフェルナンド・トーレスに代えてFWフアン・マタ、同32分にセルヒオ・ラモスに代えてDFアルバロ・アルベロアを投入するスペイン。終盤のホンジュラスの反撃にも落ち着いて対応し、逃げ切り態勢に入る。後半42分にはヘスス・ナバスの右クロスからビジャが再びハットトリックのチャンスを迎えたが、シュートはメンドーサがスライディングでブロック。3点目は奪えなかったが、危なげない試合運びでスイス戦からの嫌な流れを食い止めた。

<写真>2得点を決め、チームを救ったビジャ(7番)

(取材・文 西山紘平)

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