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[ナイキカップ]4-0!“強い鹿実”復活へ「7.11勝ってイングランドへいく」(鹿児島実vs作陽)

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[6.26 THE NIKE CUP JAPAN西日本大会決勝 鹿児島実高 4-0 作陽高 堺ナショナルトレセン]

 鹿児島実高(鹿児島)がW杯南アフリカ大会決勝と同日の7月11日に、東京・味の素スタジアムで開催されるフットボールフェスティバル「THE NIKE CUP JAPAN FINAL」への進出を決めた!! 「7.11 味スタ決戦」で東日本代表(6月27日決定)と戦う西日本代表を決める「THE NIKE CUP JAPAN」西日本大会KNOCK-OUT STAGE決勝で作陽高(岡山)と対戦した鹿児島実は、前半20分にFW大内田涼主将が先制ゴールを決めると後半には3得点を追加。守備陣も相手を無失点に抑え、4-0で西日本地区の頂点に立った。

 作陽の指揮を執った中杉明裕コーチが「点差がついても選手たちの気持ちは負けていなかった。でも鹿実さんの運動量は全く落ちなかった」と讃えたとおり、鹿実が圧倒的な運動量を武器に強豪対決を押し切った。MF赤松佑人とMF園村晋平の両MFの正確なパスから攻撃を展開する作陽に対し、鹿実は大内田主将とMF中島惇らが作陽の高いDFライン後方のスペースを再三強襲。序盤は立て続けにオフサイドに引っかかり、ビッグチャンスへと結びつけることができなかったが20分、FW重信勇貴のスルーパスによって抜け出した大内田主将がGKをかわして冷静に先制ゴールを流し込んだ。

 ゴールを決めた大内田主将も「最初はオフサイドかなと思った」というギリギリのタイミングでの飛び出し。これが勝敗を左右した。痛い失点を喫した作陽も27分、吉田主将を起点としたカウンターから左サイドを駆け上がった赤松が絶妙なラストパスをFW平方恒志へと通す。だがGKと1対1となった平方の放ったシュートは鹿実GK荒川星士がビッグセーブ。作陽は同点機をモノにすることができない。

 作陽は後半から期待のスーパーサブ、伊藤圭人を投入し、流れを引き寄せようとするが攻撃が加速したのは鹿実の方だった。大内田主将が「前半はタテ、タテと単調になって修正できなかった。(ハーフタイムに森下監督から指摘され)後半は作陽の高いDFラインに対して、いったんドリブルで仕掛けてからワンツーとかサイドをよく崩せたと思う」。その言葉通り、作陽の高いDFラインを徐々に攻略し出すと16分、左CKからファーサイドのMF荒井一希がポスト直撃のヘディングシュート。このこぼれ球を荒井が自らつなぎ、最後はMF国広龍矢が貴重な2点目を決めた。
 
 チャンスをつくるもののカウンター頼みとなってしまった作陽に対し、鹿実はさらに21分にも山崎からのパスで抜け出した重信が圧巻のスピードでDFを振り切り3-0。23分にもCB中島諒平の縦パスで再び抜け出した重信がGKをかわして4点差とした。

 0-4となっても下を向かず、むしろ勢いに乗って攻撃を繰り出した作陽の姿勢は讃えられるべきもの。公式戦経験のある選手はゲーム主将の吉田匡志らわずかだけだったが、それでも相手の隙あれば一気に攻勢に出て行った。ただ、最後まで運動量の衰えなかった鹿実は実力を示す4-0というスコアでの勝利。今年成績を残せていなかったチームのFINAL進出に森下和哉監督は「勝つ癖がある一方で負けている癖もある。今回の勝利で勝ち癖をつけていってくれれば。FINALでは鹿実らしい厳しい守備といかにシンプルなサッカーができるか。西日本の代表として恥じないサッカーをしなければならない」。そして大内田主将は、勝てばイングランド遠征の権利を手にすることのできる「7.11 味スタ決戦」へ向けて「最近(公式戦で)負け続けていてOBからも『頑張れ』と言われて。頑張らなければいけないと思っていた。(12時間かけての)バス移動はきつかったし、負けて帰るのは絶対に嫌だった。みんな優勝してイングランドにいくことしか考えていない。(FINALも)絶対に勝つ」と日本一とイングランド遠征切符獲得を誓っていた。

(取材・文 吉田太郎)

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