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テベス2発!!“疑惑のゴール”でノッたアルゼンチンがメキシコ下し8強!

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[6.27 W杯決勝T1回戦 アルゼンチン3-1メキシコ サッカー・シティ]

 10年W杯は27日に決勝トーナメント1回戦2日目を迎え、B組首位通過のアルゼンチンとA組2位通過のメキシコが激突した。前回ドイツW杯でも決勝T1回戦で激突した“因縁の対戦”は、前回同様にアルゼンチンが3-1で勝利し、2大会連続の8強入りを決めた。対するメキシコは5大会連続で8強入りを逃した。

 アルゼンチンは4-3-1-2を採用。GKはセルヒオ・ロメロ、DFラインはニコラス・オタメンディマルティン・デミチェリスニコラス・ブルディッソ、ガブリエル・エインセ。中盤は右からマキシ・ロドリゲス、ハビエル・マスチェラーノアンヘル・ディ・マリアが入り、トップ下はリオネル・メッシが君臨した。2トップはゴンサロ・イグアインカルロス・テベスが組んだが、前線の3人は流動的にポジションを取った。

 対するメキシコは3-4-3を採用。GKはオスカル・ペレス、DFはリカルド・オソリオ、フランシスコ・ロドリゲス、カルロス・サルシドが入った。中盤はボランチにラファエル・マルケスとヘラルド・トラドが入り、両ウイングバックは右がエフライン・フアレス、左がアンドレス・グアルダードが務めた。前線は真ん中にハビエル・エルナンデス、左右にはアドルフォ・バウティスタとジオバニ・ドス・サントスが入った。こちらの前線も流動的に動き、DFラインも4になる時もあるなど相手に合わせた。

 序盤、アルゼンチンはメキシコの堅守と攻守の切り替えの速さに苦しんでいたが、前半26分、リオネル・メッシが、縦に抜け出たカルロス・テベスにスルーパス。一度はGKに弾かれたが、こぼれ球をメッシが拾って今度は浮き球パス。これをテベスが頭で押し込んで先制に成功した。

 しかし、テベスの位置取りは映像上ではオフサイドポジションだった。メキシコ側もこれに気づき、選手たちは副審に詰め寄ったが、判定は覆らず。すっきりしない“疑惑のゴール”でアルゼンチンがリードを奪った。

 これで、アルゼンチンがリズムを取り戻す。メキシコの攻守にわたる組織力をメッシら個の力で打開し始めた。そして前半33分にはゴンサロ・イグアインがメキシコDFリカルド・オソリオのパスミスを見逃さずにかっさらい、そのままGKまで交わして追加点を奪った。イグアインは今大会4得点目で単独得点王に躍り出た。

 メキシコの試合内容は、スコアほどの力の差はなく、要所でアルゼンチンを押し込んで、得点の匂いをさせるプレーをみせていた。何とか早い時間に1点を返したいメキシコは後半開始からバウティスタに代えてパブロ・バレーラを投入。サイドアタッカーの鋭いドリブルとクロスでチャンスを作ったが、なかなかアルゼンチンの壁を突き破れない。

 そんな中、後半7分、アルゼンチンが貴重なゴールを挙げた。カルロス・テベスがPA中央から豪快なミドル弾をぶち込み、3-0と突き放しに成功した。その後、アルゼンチンがやや引き気味になったこともあり、メキシコが猛攻を仕掛ける。そして後半26分、ラファエル・マルケスの縦パスを受けた若きストライカーハビエル・エルナンデスが鋭く反転してPA左を侵入。豪快に左足でゴールを決めて1点を返した。

 その後はメキシコがバレーラの突破、マルケスのパス、エルナンデスのスピードを活かして攻め込み、アルゼンチンはカウンターを狙った。しかし、ともにバイタルエリアではしっかりと体を張って守ったためにスコアは動かず。アルゼンチンが3-1で勝利を収めた。

 前回大会では延長の末にメキシコを下して8強入りしたアルゼンチン。リベンジに燃えていた相手を返り討ちにしたが、何と次の相手も“因縁の相手”だ。ベスト4をかけた一戦は前回同様にドイツとなった。

 当時は1-1の末のPK戦で敗れているが、果たして今回は-。疑惑の先制点を含む2得点でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたカルロス・テベスは「きょうは重要なゴールを決められた。ドイツ戦? またゆっくりと休んで、戦いたい」と静かに闘志を燃やしている。南米予選では苦戦したが、アルゼンチン・マラドーナの進撃はどこまで? ドイツ戦でいよいよ、真価が問われる。

<写真>8強入りを決め、うれしさのあまりメッシを持ち上げたマラドーナ監督

(文 近藤安弘)

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