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ロッベン先発復帰弾!オランダが3大会ぶり8強

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[6・28 10年W杯ベスト16 オランダ 2-1 スロバキア ダーバン・スタジアム]

 10年W杯南アフリカ大会決勝トーナメント1回戦、オランダ対スロバキア戦が28日にダーバンのダーバンスタジアムで行われ、オランダがFWアリエン・ロッベンとMFウェズレイ・スナイデルのゴールにより2-1で勝った。オランダは98年大会以来となるベスト8進出。7月2日の準々決勝でブラジル対チリ戦の勝者と戦う。

 グループリーグE組1位で勝ち上がったオランダは負傷で離脱していたロッベンが待望の今大会初先発。ロビン・ファン・ペルシーディルク・カイトと4-3-3システムの3トップを組んだ。中盤はトップ下にスナイデルが入り、ダブルボランチがマルク・ファン・ボメルナイジェル・デ・ヨング。4バックは右からグレゴリー・ファン・デル・ビール、ヨン・ヘイティンハ、ヨリス・マタイセンジョバンニ・ファン・ブロンクホルスト。GKはマールテン・ステケレンブルフが先発した。

 一方、グループリーグ最終戦で前回王者・イタリアを3-1で下してF組2位に食い込んだスロバキアはエースのマレク・ハムシクユライ・クツカとのダブルボランチに配置する4-4-2システム。GKはヤン・ムハで4バックは右からペテル・ペカリークマルティン・シュクルテル、ヤン・ドゥリツァ、ラドスラフ・ザバブニク。中盤両ワイドは右がウラジミール・バイスで左がミロスラフ・ストフ。今大会3ゴールのロベルト・ビッテクがエリク・イェンドリシェクと2トップを組んだ。

 試合後「言うだけでなくやって見せないといけなかった」とインタビューに応えたエースが、自らの存在価値を示すかのように先発復帰戦で結果を残した。前半18分、オランダは自陣で相手ボールを奪うとスナイデルが右サイドを走るロッベンの前方に絶妙なボールを落とす。これを拾ったロッベンが縦への突破を警戒するDFの前を横切りながら中央へ切れ込むと、そのまま得意の左足を一閃。ゴール右隅へ先制ゴールをねじ込んだ。

 大会開幕直前の負傷でグループリーグをほぼ棒に振っていたロッベンが見せた意地の一撃。立ち上がりこそバイスに左サイドを破られ、ハムシクのミドルシュートを浴びる場面もあったオランダだが、エースの復帰弾でリードを奪った後は試合をコントロールし、相手に脅威を受けることなく1-0で前半を折り返す。

 迎えた後半立ち上がり、オランダはロッベンが再び相手守備陣に冷や汗をかかせる。まずは5分、相手のクリアボールを右サイドで拾った背番号11は先制点と同じような形から左足シュート。立て続けにGKの好守に阻まれたが、直後にも個人技で左サイドを打開し、ゴールエリア目前のマタイセンへラストパスを通した。
 
 ただ、GKムハのビッグセーブによって追加点を決め切れなかったオランダに対し、窮地を脱したスロバキアは相手DFラインの乱れを突いて決定機をつくりだす。22分にはハムシクのスルーパスを左サイドで受けたストフが中央へ流れながらDFのマークを外して決定的な右足シュート。直後にはゴール正面中央の位置でパスを受けたビッテクが、鋭い反転からGKとの1対1に。ビッグチャンスを迎えるが、シュートはオランダGKステケレンブルフにはじき出されてしまった。

 立て続けにピンチを招いたオランダはロッベンを下げてFWエルイェロ・エリア、そしてファン・ペルシーに代えてクラース・ヤン・フンテラールを投入。守りを固めるのではなく、アタッカー投入で2点目を狙い続けると後半38分、センターライン付近で得たFKからファン・ブロンクホルストがDFラインとGKの間に絶妙なボールを落とす。これに反応したカイトがGKをかわすと左サイドから中央へラストパス。走りこんだスナイデルが右足ダイレクトでゴールへと押し込み、勝敗の行方を自らへと大きく傾けた。

 スロバキアは後半ロスタイムの49分、途中出場のFWマルティン・ヤクブコが獲得したPKをビッテクが右足でゴール左隅へと沈めて1点差。だが直後に試合終了を告げるホイッスルが鳴り響く。今大会全勝のオランダが、復活したエースの活躍などにより、グループリーグで“サプライズ”を巻き起こしたスロバキアを沈めてベスト8へ駒を進めた。

(文 吉田太郎)

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