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[総理大臣杯]元J組擁する試合巧者・中京大が札幌大を破る

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[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 中京大 2-1 札幌大 三木防災]

 数年前からJFL参戦を目指し、チーム強化を図っている札幌大(北海道)と、元Jリーガーを多く擁したびたび全国大会ベスト4の結果を残している中京大(東海)。全国大会の“常連校”同士の対戦は、中京大が試合巧者ぶりをいかんなく発揮。危なげない展開で2-1で勝利を収め、準々決勝へ駒を進める結果となった。

 立ち上がりから積極的に攻めていたのは中京大だった。左からMF石原卓(2年=中京大中京高、元横浜FM)、右からはSBの小川真司(3年=東海学園高)がたびたび攻め上がり、札幌大を圧倒。だが先制点を取ったのは札幌大だった。26分にMF清原圭介(4年=登別大谷高)が中央からやや右にドリブルで切れ込むと、逆サイドのゴール隅に強烈なミドルシュートでゴールをあげる。

 中京大の西ヶ谷隆之監督も「1点目は気をつけていても仕方のないゴール」とコメントするほどの見事なゴール。しかし、「早い時間だったので(先制点は)気にならなかった」(ゲームキャプテン・森本良、4年=名古屋U18、サガン鳥栖特別指定選手)という中京大がこの1点で崩れることはなかった。その2分後にCKからのこぼれ球を丁寧につなぎ、ボールは最終ラインから前線に上がってきていたCBの加藤駿一(3年=清水商高)の元へ。加藤の放ったシュートは左ポストを叩くが、そのまま内側に跳ね返りゴール。中京大が間髪をおかずに同点に追いつく。

 その後も、中京大は積極的に攻め、前半終了間際に石原が突破してMF中村亮太(2年=中京大中京高)が落とし、小川とつないで決定的なシーンを迎えるが、これは札幌大GK・二瓶孝太郎(4年=ヴェルディユース)のファインセーブもあり得点ならず。間にハーフタイムを挟んでも中京大の勢いは止まらず、後半5分には右サイドを突破した中村から受けたパスを、藤牧祥吾(3年=清水ユース)が豪快に振り抜く。放たれたシュートはクロスバーを叩いてゴールに入り、中京大が2点目をあげて逆転に成功をする。

 追う立場となった札幌大はMF横山雄二(4年=北海高)、清原、MF西村啓(2年=北海高)らを中心にボールをキープ。中盤から攻撃を組み立てようと試みるが、前線への仕掛けの部分でスピードアップすることができず、ゴール前で決定的な形を作れないままタイムアップを迎えることとなった。

 2年ぶりの総理大臣杯出場ながら好スタートを切った形となった中京大だが、西ヶ谷監督は不満顔。「守備の切り替えをしっかりしないと、上のレベルに通用しない。ポジショニングをしっかり修正しないと」。次の試合では、東海リーグで退場処分を受けて出場停止だったFW齋藤和樹(4年=清水商高)が復帰。「今日は最初の20分、攻めている時間に決められなかったのが課題」(森本良)「この展開であればもう1点入れなければおかしい」(西ヶ谷監督)というチームにとって、前線でタメを作れるエースの復帰は好材料となるに違いない。

(取材・文 飯嶋玲子)

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