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[総理大臣杯]5分間で3発!初出場・環太平洋大健闘も駒澤大が貫禄の逆転勝ち

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[7.4 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント1回戦 環太平洋大 1-3 駒澤大 堺NTC]

 第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントが4日に開幕し、大阪府堺市の堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター会場の第2試合では、過去5回の優勝を誇る駒澤大(関東2)が、初出場のIPU・環太平洋大(中国)に貫禄を見せ、3-1で勝利。6日に高知大と戦う準々決勝に駒を進めた。

 明確な形を持つ強豪・駒大と、未知数な点が多い創部4年目の環太平洋大。両者がどのような形でぶつかり合うのかが注目された一戦だが、前半は膠着状態で時間が進む。試合の主導権は駒大が握り、36分、40分とFW棗佑喜(4年=丸岡高)が決定機を作るものの、枠を捉えることができない。一方の環太平洋大は、桂秀樹監督が「厳しい時間帯が続いても、いつかチャンスが来る。それまでは集中して相手の高さを封じよう」と選手たちに伝えていたように、がむしゃらな守備で踏ん張り続けた。

 後半に入ると、駒大SB酒井隆介(4年=名古屋U18)が右サイドから積極的なオーバーラップを見せ始め、攻撃に厚みをもたらすが、それでも環太平洋大ゴールを破ることができない。すると迎えた27分、環太平洋大・桂監督の言う“チャンス“がついに訪れる。GK植田峻佑(4年=八千代高)からのロングボールにMF藤本陽平(2年=柳ケ浦高)が反応し、相手DFラインの裏に飛び出す。そしてGKと1対1の状況から、GKの頭上を越すループシュートを決め、環太平洋大が先制。待ち望んだチャンスを、きっちりと決めた。

 対する駒大もこれで目の色が変わる。プレースピードが明らかに変わり、ロングボールだけでなくドリブルを織り交ぜた攻撃でリズムを作り始めた。30分には左サイドをドリブル突破したMF湯澤洋介(2年=矢板中央高)からのクロスボールを酒井がファーサイドで合わせて同点に。続く31分には棗が中央から持ち込んで豪快なシュートを決め、あっという間に逆転してしまう。更に34分には棗の強引な突破からPKを獲得。MF金久保彩(4年=花咲徳栄高)の蹴ったボールは環太平洋大GK植田がセーブされたものの、金久保が自ら詰めて勝利を決定づける3点目を奪った。中盤までは互角の試合だったが、終わってみれば3-1。6年ぶりの日本一を目指す強豪・駒大が底力を見せた試合となった。

 初の大舞台を戦い終えた環太平洋大・桂監督は「守備はよく頑張っていたが、後半に入って相手の攻撃の形が変わり、耐えられなかった。攻撃ではしっかりとチャンスを決めてくれた。リーグ戦ではできない経験をすることができた」と手応えを口にした。一方、勝った駒大・岡田コーチは「収穫は勝てたこと。前半のチャンスで決めていたら、もっと楽な試合にできた。最初からやれと言っていた形が、失点してからようやくできるようになった。やるべきことを整理して継続していかなければならない」と、さらなる高みへ向けて課題を挙げた。準々決勝に向けて、駒大がどこまで修正してくるのか楽しみである。

<写真>勝利を讃えあう駒大イレブン
(取材・文 谷口達也、写真=関西学生サッカーPRESS 久住真穂)

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