beacon

広島が槙野の今季初ゴールで浦和を下す

このエントリーをはてなブックマークに追加
[7.24 J1第24節 浦和0-1広島 埼玉]
 J1第14節が24日に各地で行われ、埼玉スタジアム2002では6位の浦和レッズと7位のサンフレッチェ広島が対戦した。浦和・柏木陽介の古巣戦として注目されたが、広島は後半27分、柏木の盟友・DF槙野智章が今季初ゴールを決め、1-0で勝利した。浦和は2連敗で、リーグ戦4試合連続で勝ち星から見放された。
 浦和は4-5-1システムを採用。GKは山岸範宏、DFラインは右から平川忠亮、出場停止の山田暢久に代わりスピラノビッチ、坪井慶介、サヌが入った。中盤はボランチが阿部勇樹と細貝萌、2列目は右から柏木陽介、山田直輝、田中達也、1トップはエジミウソンが務めた。
 対する広島は3-6-1を採用。GKは西川周作、3バックは森脇良太、ストヤノフ、槙野智章が入った。中盤はボランチが中島浩司と青山敏弘、右WBはミキッチで左WBは服部公太、2列目は山崎雅人と森崎浩司。1トップは佐藤寿人が務めた。
 互いにパスを回し、中盤を構成するチーム同士の対戦。最初に好機を作ったのは広島だった。前半11分、中島のタテパスを左サイドで山崎が受けて仕掛け、中央の森崎浩へ。PA中央で得意の左足でシュートを放った。これはGK山岸にセーブされたが、序盤は広島がややペースを握った。
 浦和は田中のスピード、柏木、山田直の運動量を生かして攻めるが、バイタルエリアをなかなか突破できない。何度か田中が仕掛けてシュートを放つが、精度を欠いて枠を外すシーンが目立った。逆に言えば、せめて枠に飛んでいれば、優位に進めることができた。
 広島は前半22分、左サイドで細かくパスをつないで攻め込み、最後はPA正面でオーバーラップしていた槙野が横パスを受けてミドルシュート。枠を捉えていたが、ややコースが甘く、GK山岸にセーブされた。
 浦和も徐々にリズムを取り戻す。前線の選手がポジションチェンジして、サイドを使って仕掛けた。前半32分、PA右でエジミウソンがタメを作り、田中が左足でミドルシュート。これも大きく左に外し、ゴールにつながらなかった。
 前半は浦和、広島ともにPA手前まではパスをつないで攻め込むが、互いの守備陣が奮闘。バイタルエリアを崩しきれず0-0で折り返した。
 後半序盤は、浦和がペースを握った。同4分、左サイドで、田中が山田とのパス交換で抜け出し、約35mのドリブル突進。しかし、PA内で防がれ、惜しくもゴールにつながらなかった。同11分、PA内左で浮き球に柏木が競り勝って落とし、エジミウソンが左足でシュート。好機といえたが、上にふかして枠を捉えることができなかった。
 後半17分、両軍とも動いた。浦和は山田直に代えてポンテを、広島は山崎に代えて高萩洋次郎を投入した。浦和はポンテのパスセンス、広島は高萩のキープ力に賭けた形だ。
 その後、一進一退の攻防が続く。浦和は後半23分、疲れの見え始めたスピラノビッチに代えて堀之内聖を投入。その1分後、広島は青山に代えて横竹翔をボランチに入れた。
 時間の経過とともに、両軍とも疲れが見え始め、中盤のスペースが空いてきた。そんな中、広島が貴重な先制点を奪った。後半29分、PA内左でタテパスを佐藤寿人が受け、DFを交しながら反転してPA内右に走りこんできた槙野智章に横パス。これを右足できっちり流し込み、1-0とした。槙野は今季初ゴールとなった。
 広島は後半30分、槙野に代えて丸谷拓也を投入。浦和はその2分後、細貝に代えてエスクデロ・セルヒオを2列目に入れ、柏木をボランチに下げた。
 後半41分、浦和が好機をつかんだ。ドリブルで仕掛けた田中が、PA正面やや右で倒されてFKをゲットした。直接狙える絶好の位置だったが、これをポンテがキックの精度を欠いて壁に当ててしまった。右利きには阿部もおり、悔やまれるシーンだった。
 ロスタイムは4分。突入直後に広島は時間稼ぎをスタートさせる。浦和は残った体力を振り絞りボールを運ぶ。広島は佐藤寿人を前線に残して全員が守備に奔走。きっちりと逃げ切り、1-0で2連勝を飾った。
(取材・文 近藤安弘)

TOP