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ロスタイムに劇的弾!17歳小野の決勝アシストで横浜FMがG大阪に競り勝つ

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[7.24 J1第14節 横浜FM1-0G大阪 日産ス]

 J1第14節は24日、各地で6試合を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノスガンバ大阪が対戦。横浜FMは0-0の後半ロスタイム、プロ初先発となった現役高校生のFW小野裕二のアシストでDF天野貴史が劇的な決勝点を決め、1-0で競り勝った。

 横浜FMは17歳のFW小野裕二が初先発するなど前節の広島戦(0-3)から先発4人を入れ替えた。システムは4-4-2で、GK飯倉大樹、4バックは右から天野貴史、栗原勇蔵、中澤佑二、金井貢史。中盤は清水範久と小椋祥平のダブルボランチで、右に中村俊輔、左に兵藤慎剛が入り、渡邉千真と小野が2トップを組んだ。
 G大阪はFWルーカスが欠場。磐田から加入したFWイ・グノが移籍後初先発となった。システムは4-4-2で、GK藤ヶ谷陽介、4バックは右から加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大。中盤は明神智和と遠藤保仁のダブルボランチで、右に橋本英郎、左に宇佐美貴史が入り、2トップは平井将生とイ・グノだった。

 積極的な立ち上がりを見せたのはG大阪だった。開始1分、中盤で兵藤からボールを奪った宇佐美が左サイドに展開。イ・グノのクロスから橋本が立て続けにシュートを放つと、前半7、8分と宇佐美が遠めから狙う。素早いパス回しと積極的なフィニッシュで横浜FMを押し込み、優勢に試合を運んだ。

 横浜FMは前半12分、兵藤の浮き球パスに中村が走り込み、左足でシュート。ようやくチャンスらしいチャンスを迎えると、同13分にはPA外でパスを受けた小野が鋭い反転で前を向き、DFをひとりかわしてシュートまで持ち込んだ。同19分にもゴール前に浮いたボールを山口がクリアミスし、小野が奪ってシュートを打ったが、枠を外れた。

 互いにいい時間帯で先制点を奪えず、試合は膠着状態に入る。特に横浜FMは全体的に運動量が上がらず、G大阪に主導権を握られる展開だった。横パスをつなぎながら時折鋭い縦パスを狙うG大阪だったが、横浜FMの守備陣もぎりぎりのところでこれをカット。両チームともに決め手を欠き、前半は0-0で折り返した。

 G大阪はハーフタイムに平井に代えてMF二川孝広を投入。システムも4-4-2から4-2-3-1に変更し、二川がトップ下に入った。

 後半6分、小野が個人技で突破を狙うが、G大阪はこれを止めて素早くカウンターを仕掛ける。二川がドリブルで持ち上がり、遠藤に横パス。遠藤はPA外から右足で強烈なシュートを放ったが、GKのセーブに阻まれた。

 リズムに乗り切れない横浜FMだったが、後半11分、絶好のチャンスを得る。中村のCKからPA内で中澤佑が中澤聡に倒されたとしてPKを獲得。ところが、渡邉のキックはゴール右へ。これ以上ない先制のチャンスを逃してしまった。

 横浜FMは後半16分、兵藤に代えてMF山瀬功治を投入。この交代が徐々に流れを引き寄せる。後半19分、金井が積極的にミドルシュートを狙うと、同20分には中村から絶妙のスルーパスが小野に届いたが、山口が間一髪、スライディングでカットした。

 G大阪は後半21分、左45度の絶好の位置でFKを獲得したが、遠藤のキックは惜しくもクロスバーに弾かれる。直後の同22分、宇佐美に代えてMF佐々木勇人を投入し、2枚目のカードを切った。

 17歳の小野はさらに魅せる。後半27分、強引な突破で山口を跳ね飛ばし、PA内から左足でシュートを放つも、ゴールポストを直撃。互いに勝ち点3の欲しい両チームはカウンターの応酬となり、終盤は完全にオープンな試合展開。後半37分、二川の浮き球パスにイ・グノが絶妙なトラップからシュートを打ったが、ゴール上へ。同40分、横浜FMはGKからのロングキックを全速力で追った小野がワントラップでピタリと止め、右足でシュート。しかし、これもゴールの枠を捉えられなかった。

 このまま試合終了かと思われた後半49分、劇的な結末が待っていた。横浜FMは小野がPA内に進入。シザースフェイントから後方をオーバーラップしてきた天野にスルーパスを通すと、天野は思い切りよく右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。1-0。17歳の決勝アシストで天野がプロ2点目となる劇弾を決め、横浜FMが3試合ぶりの勝利を飾った。

(取材・文 西山紘平)

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