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天野がまた劇弾、162cmのSBが「根性」の決勝点

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[7.24 J1第14節 横浜FM1-0G大阪 日産ス]

 ピッチ上で最も小さな男が、大仕事をやってのけた。横浜F・マリノスは後半ロスタイム、DF天野貴史がFW小野裕二のラストパスを受け、右足で劇的な決勝点。162cmの小柄なサイドバックが勝利の立役者となった。

 気温30度のうだるような暑さ。蒸し風呂のようなピッチ上で、最も運動量の求められるサイドバックが最後まで走り抜いた。

 「正直、死にそうでした。根性です」

 MF中村俊輔から小野にパスが出るや、最終ラインから猛ダッシュ。小野の背後から追い抜き、スルーパスを受けた。「(小野)裕二はずっといいプレーをしていたし、仕掛けていた。最後、パスが来るかなと思っていたら本当に来て、決めるだけだった」。天野は謙遜するが、あの時間帯、あの場面でサイドバックがPA内まで走ってきていたことがすべてだった。

 プロ初ゴールを決めた5月1日の磐田戦以来となるプロ2点目。磐田戦も0-0の後半31分という苦しい時間帯に決勝点を決め、1-0で勝った。「最後は気持ちというか、なんかやってやろうと。それが結果になってよかった」。磐田戦のゴールはクロスが背中に当たる泥臭いゴールだったが、この日は右足を振り抜いた豪快な一撃。“劇的男”の真骨頂で、横浜FMが大きな勝ち点3を手にした。

<写真>決勝点を決めた横浜FM・DF天野(35番)
(取材・文 西山紘平)

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