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矢野今季初ゴール&三門プロ初得点で新潟が鹿島の連勝止める

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[7.27 J1第15節 鹿島2-2新潟 カシマ]

 J1第15節は27日、各地で3試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズアルビレックス新潟が対戦。新潟は前半ロスタイム、FW矢野貴章の今季初ゴールで先制すると、後半10分にFWマルキーニョス、同29分にFW大迫勇也にゴールを許し、一時は逆転されたが、同35分に途中出場のMF三門雄大がJ初ゴールを決め、2-2の引き分けに持ち込んだ。

 4連勝で首位を守る鹿島は前節の磐田戦(3-2)と同じ先発メンバーで臨んだ。システムは4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から新井場徹、岩政大樹、伊野波雅彦、ジウトン。中盤は中田浩二と小笠原満男のダブルボランチで、右に野沢拓也、左にフェリペ・ガブリエルが入り、大迫勇也とマルキーニョスが2トップを組んだ。
 8試合負けなし(5勝3分)の新潟はMF本間勲が出場停止。システムも4-4-2から4-3-3に変更した。GK黒河貴矢、4バックは右から西大伍、千葉和彦、永田充、酒井高徳。中盤は小林慶行がアンカーに入り、右前にマルシオ・リシャルデス、左前にミシェウが位置し、前線は右から矢野貴章、大島秀夫、チョ・ヨンチョルの3トップだった。

 最初のチャンスはアウェーの新潟。相手のパスミスからチョが左サイドを抜け出し、ゴール前への折り返しをミシェウが右足で狙ったが、ゴール右へ外れた。

 鹿島はボール支配率を高め、新潟を押し込む。前半10分にはマルキーニョスからの大きなサイドチェンジを受けた野沢が右サイドから中に切れ込み、シュート。これはGKの正面だったが、同19分にも相手のミスを突いた大迫がミドルシュートを狙った。

 しかし、新潟の組織的な守備は崩れず、逆に鹿島が徐々にペースダウンしていく。全体的に運動量が上がらず、ミスも頻発。新潟は素早い攻守の切り替えでカウンターを狙った。前半35分、酒井が左サイドのチョに展開。チョのクロスに矢野が頭で合わせるも、ゴール上へ。同36分には中盤でボールを奪い、ミシェウからチョとつなぎ、チョの左クロスを受けたマルシオ・リシャルデスがGKと1対1となる絶好機を迎えたが、GK曽ヶ端の好守に阻まれた。

 このまま前半終了かと思われたロスタイム、新潟が思わぬ形で先制点を奪う。中田のパスミスから矢野が中央をドリブルで持ち上がり、右足アウトサイドで思い切りよくミドルシュートを狙うと、これがDFに当たってコースが変化。逆を突かれる形となったGK曽ヶ端は一歩も動けず、新潟が矢野の今季初ゴールで先制に成功した。

 嫌な時間帯に先制点を許した鹿島は後半立ち上がりから猛攻を仕掛ける。後半6分、ジウトンが左足の強烈ミドルでゴールを襲うと、同10分、個人技で右サイドを突破した新井場のクロスにフリーのマルキーニョスが難なくヘディングシュートを叩き込み、1-1。早くも同点に追い付いた。

 新潟は後半12分、大島に代えてMF三門雄大を投入。矢野とミシェウが2トップを組む4-4-2のシステムに戻した。試合はここから互いに素早いカウンターを繰り出すオープンな展開に。鹿島は後半21分、カウンターからフェリペ・ガブリエルのパスを受けたマルキーニョスが右足で際どいミドルシュート。新潟も同25分、ミシェウの右クロスからチョが決定的な右足シュートを放ったが、クロスバーに弾かれた。

 鹿島は後半28分、フェリペ・ガブリエルに代えてMF本山雅志を投入。すると、この交代がいきなり的中する。直後の29分、野沢の横パスを受けた本山が鋭いスルーパス。オフサイドラインぎりぎりから抜け出した大迫は前に出てきたGKもかわして左足で無人のゴールに流し込み、勝ち越しゴールを奪った。

 新潟は後半32分、チョに代えてFWファグネルをピッチに送り込む。ミシェウが中盤の左サイドに下がり、ファグネルは2トップの一角に入った。粘る新潟は後半35分、マルシオ・リシャルデスがゴール前にふわりと浮かしたボールを送ると、矢野がDFと競り合いながら落とし、三門が左足でシュート。これがゴールネットに突き刺さり、2-2の同点に追い付いた。

 互いに最後まで勝ち点3を目指したが、試合はそのまま終了。好調なチーム同士の一戦は勝ち点1ずつを分け合う痛み分けとなった。

(取材・文 西山紘平)

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