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名古屋が助っ人弾2発で横浜FMを下し暫定2位浮上。楢崎は俊輔FKをセーブ!

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[7.31 J1第16節 横浜FM0-2名古屋 日産ス]

 J1第16節が31日に各地で行われ、神奈川・日産スタジアムでは8位の横浜F・マリノスと3位の名古屋グランパスが対戦した。2万9000超えの観衆を集めた一戦は、名古屋がFWケネディとMFダニルソンの助っ人コンビがゴールを決めて2-0勝利。この日試合のなかった清水を抜いて暫定2位に浮上した。

 横浜FMは注目の17歳FW小野裕二はベンチスタートだった。4-4-2を採用しGKは飯倉大樹、DFラインは右から天野貴史、栗原勇蔵、中澤佑二、金井貢史。ボランチは小椋祥平と清水範久、右MFは中村俊輔、左MFは兵藤慎剛が入った。2トップは総入れ替えで、山瀬功治がリーグ戦3試合ぶり、坂田大輔は同6試合ぶりに先発復帰を果たした。

 対する名古屋は4-3-3を採用。GKは楢崎正剛、DFラインは右から田中隼磨、闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。中盤はアンカーがダニルソン、2列目が中村直志とマギヌン、3トップはケネディを中央に右に金崎夢生、左に玉田圭司が入った。

 序盤、ともに中盤でボールを動かしながら攻めようとするが、DFラインを崩すには至らない。それでも、双方が個人技で魅せ場を作った。前半4分、横浜FMは俊輔がPA正面から浮き球でスルーパス。坂田にはわずかに合わなかったが、チャンスを作った。

 すると前半10分、今度は名古屋の玉田がパスカットからドリブル突進。利き足とは逆の右足のシュートはDFにブロックされたが、得意のスピードを発揮した。その2分後には俊輔がPA右から強烈なミドルシュート。間一髪で楢崎が弾き出したが、いずれも南アフリカW杯で悔しい思いをした日本代表勢が“らしさ”を発揮した。

 前半18分、横浜FMが決定機を迎える。自陣深い位置でダニルソンのパスをカットしてカウンターへ。小椋が左を抜けた山瀬にパスし、そのままドリブルから右足シュート。これはGK楢崎の好セーブで防がれるが、こぼれ球を今度は坂田が右足シュート。これも楢崎に防がれて好機を逃した。

 これがきっかけかその後、名古屋に流れが傾く。玉田のドリブル、ケネディの高さ&ポストプレーを活かして押しこんでいく。そして前半37分、名古屋に先制弾が生まれた。混戦から横浜FMのDFラインの横パスをケネディが奪い、そのまま右足でシュート。エースが今季10得点目と大台に乗せる一発でリードを奪った。前半はそのまま名古屋の1-0で折り返した。

 後半、横浜FMは開始から山瀬に代えて17歳の小野裕二を投入。若きストライカーのスピードと勢いに賭けた。後半序盤、名古屋にはアクシデントがあった。中村が右足を痛め、同7分にブルザノビッチに交代した。

 その後、一進一退の攻防が続く。小野は後半17分、PA左でパスを受けると、外を抜けた中村俊輔にヒールパス。俊輔はドリブルで仕掛けてクロスを入れた。ゴールはならなかったが、17歳の堂々としたプレーがチャンスを生んだ。

 だが、名古屋が再び追加点を奪った。後半23分、名古屋はPA右でパスをつなぎ、最後はPA正面手前でダニルソンが受けて左足シュート。GK飯倉の手を弾いてゴールネットを揺らした。ダニルソンは前半に何度かパスミスを繰り返しカウンターを受けたが、汚名返上の一撃となった。

 横浜FMは好機を作れない。そこで後半34分、坂田に代えてこの日は疲労もあってスタメンから外れたエース渡邉千真を投入し、逆襲を狙った。その影響か、横浜FMが少し盛り返す。後半38分、右サイドから俊輔がクロス。こぼれ球を小野がシュートするがDFに当たり、さらにそのこぼれ球を清水がシュートしたが、悔しくも枠を外した。

 名古屋は後半43分、玉田に代えてDF千代反田充を投入。守備固めに出た。ロスタイムは4分。横浜FMはゴール中央やや右、22m付近で得たFK中村俊輔が得意の左足で直接狙う。ゴール右上を狙ってきっちり蹴り込んだが、GK楢崎正剛が横っ跳してファインセーブ。何とかかき出して失点を防いだ。

 その後、名古屋はベンチのGK高木義成が審判へ抗議したか何かの理由で退席処分へ。とはいえ、試合はそのまま終わり、2-0で名古屋が勝利。座っていても手が湿るほどの高い湿度で、周囲も薄く白く見えるほど悪条件の中、名古屋が攻守で奮闘し敵地で勝ち点3を奪った。

(取材・文 近藤安弘)

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