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[MOM280]作陽DF中村翔(3年)_ワンプレーで試合決める

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 全国高校総体2回戦 作陽 2-0 秋田商 石川火力発電所多目的広場]

 一瞬の出来事であった。先制点を挙げた直後の31分、作陽DF中村翔は右サイドでボールを受けると、迷わず縦にギアアップ。急激に加速した彼に、秋田商DFはついていけなかった。たちまち右サイドをえぐりこむと、冷静に中の状況を見極めて、フリーで走りこんでいたMF森貴大に絶妙のセンタリングを送る。森は難なく合わせ、貴重な追加点をもたらした。「あの突破力は魅力だね。あそこで仕掛けられるのは大きい」と作陽・野村雅之監督も賞賛したように、中村のこのワンプレーが試合を決定付けた。

 1年の頃から出場機会を得ている彼は、DF、MFとサイドならどこでもこなせる器用さを持つ。魅力はその攻撃力で、1年生のときは2シャドーの一角をこなしたこともあった。ボールを持ったら迷わず縦に仕掛ける。しかもむやみやたらに仕掛けるのではなく、ちゃんと周りの状況を見極めてから、絶妙なタイミングで仕掛けてくるのだから、相手にとっては厄介極まりない。2点目のゴールシーンも、まさに彼の特徴が出たシーンであった。

 そして「彼は守備力もある。守備も出来るから安心してみていられる」と野村監督が続けたように、DFとして対人能力も高く、粘り強いディフェンスが特徴だ。躍動するサイドのキーマンが、これから先も攻守にわたって、輝きを見せるとき、作陽の悲願の全国タイトルが見えてくるはずだ。

(取材・文 安藤隆人)

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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