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途中出場・枝村が腹で決勝点!真夏の決戦制し清水が首位ターン

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[8.7 J1第17節 清水2-1鹿島 アウスタ]

 清水が首位奪回! J1第17節は7日、各地で6試合を行い、アウトソーシングスタジアム日本平では2位清水エスパルスと首位鹿島アントラーズが激突した。勝ち点1差の首位攻防戦は清水が前半37分にMF藤本淳吾のPKで先制すると、鹿島も後半13分にFW興梠慎三のゴールで追い付いたが、同29分に途中出場のMF枝村匠馬が決勝点。清水が2-1で競り勝ち、3週間ぶりに首位に返り咲くとともに、前半戦を首位で折り返した。

 4-3-3の清水はMF本田拓也が出場停止明けで先発に復帰。それ以外は前節の湘南戦(6-3)と同じメンバーで臨んだ。
 鹿島は4-4-2で、前節の神戸戦(3-0)と同じメンバーだった。
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 立ち上がり先にリズムをつかんだのはホームの清水だった。前半11分、MF小野伸二のFKにFW岡崎慎司が頭で合わせると、その直後にもMF兵働昭弘のパスを受けた小野がミドルシュート。積極的にゴールを狙った。

 前半12分にはGK西部洋平のキックミスでFW大迫勇也にボールが渡るピンチを招いたが、DF岩下敬輔が1対1で冷静に対応。スライディングタックルでボールを奪い、難を逃れた。

 清水は前半14分にも岡崎がDF新井場徹のファウルを受けながら倒れずにドリブルで突進。吉田寿光主審のアドバンテージからチャンスにつながり、岡崎がシュートを放つと、GK曽ヶ端準の弾いたこぼれ球を今度は兵働が狙ったが、GKの正面に飛んだ。

 前半20分にも岡崎がドリブルでDFを2人、3人とかわし、小野にラストパスを送るが、小野の右足シュートはゴール左へ。同21分、オーバーラップを仕掛けたDF太田宏介が鋭い切り返しでDFをかわし、右足でミドルシュートを狙ったが、大きく浮いてしまった。

 神戸戦で退席処分を受けたオズワルド・オリヴェイラ監督がベンチ入り停止の鹿島にさらなるアクシデントが襲う。前半30分、FWマルキーニョスが右太腿を痛め、担架でピッチの外へ。自ら交代を申し入れ、FW興梠慎三と交代した。

 いい形でチャンスをつくる清水の攻撃は前半35分、意外な形で報われる。前半35分、左後方からのFKにゴール前の競り合いでDF岩政大樹がハンドの反則を犯し、PKを獲得。これをFW藤本淳吾が落ち着いてゴール右に決め、背番号10の3戦連発となるゴールで待望の先制点を奪った。

 清水の良さばかりが目立った前半を1-0で折り返すと、後半2分にも清水は小野のワンタッチパスに抜け出した藤本が左足で強烈なシュート。GKの好セーブに阻まれたが、後半の入り方もよかった。

 しかし、鹿島がここから反撃する。興梠が持ち前のスピードで何度も最終ラインの背後を突き、パスを呼び込む。後半4分、MFフェリペ・ガブリエルのスルーパスに興梠が反応すると、清水は岩下が体を投げ出してクリアするが、裏のスペースを狙われたことで徐々に最終ラインが下がり、鹿島の攻撃にリズムが出てきた。

 後半10分、13分とMF本田拓也がゴール前で体を張り、なんとかピンチをしのいだ清水だが、鹿島は後半13分、DF新井場徹の右クロスにファーサイドから走り込んだ興梠が頭で叩き込み、1-1の同点に追い付いた。

 徐々に運動量の落ち始める清水は中盤で後手を踏むシーンが増えた。それでも選手は球際で体を張り、気力を振り絞って前へ出る。後半28分には小野に代えてMF枝村匠馬を投入。すると、この交代がずばり当たった。

 直後の後半29分、中盤のこぼれ球を枝村がつなぎ、兵働が左足でクロスを上げる。これを岡崎が胸で落とすと、DF伊野波雅彦がクリアしたボールがゴール前に詰めていた枝村の腹部に当たって跳ね返り、そのままゴールイン。運も味方し、清水の執念が勝ち越しゴールを呼び込んだ。

 鹿島は後半30分にフェリペ・ガブリエルに代えてMF本山雅志を投入し、再び同点ゴールを目指す。一方の清水は同33分に兵働に代わってMF伊東輝悦がピッチに入り、逃げ切り態勢に入った。

 粘り強く守る清水は後半42分、カウンターから決定機をつくり、PA内に切れ込んだ岡崎がGKもかわしてシュートを打つが、ゴールライン上でDFにクリアされる。鹿島は終盤、岩政も前線に上がってパワープレーを仕掛けたが、ロスタイムの4分間もなんとかしのいだ清水が2-1で逃げ切り、真夏の首位攻防戦を制した。

(取材・文 西山紘平)

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