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ホームで勝てない浦和、"勝ちゲーム"を落とす

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[8.28 J1第21節 浦和1-1鹿島 埼玉]

 最後の最後で勝ち点3を逃した。1-0のまま時計は後半49分を過ぎ、浦和レッズの勝利は目前だった。ところが、ロングスローのこぼれ球をMF本山雅志に蹴り込まれ、1-1。5月5日の名古屋戦(2-1)以来となるホームでの勝利はまたもお預けとなった。

 鹿島のプレッシャーに苦しめられた。日本代表に初選出され、この日はゲームキャプテンも務めたMF細貝萌は「本当ならボールを保持して、組み立ててというのをやりたかったけど、できなかった。今までの相手は引いていたけど、今日は次々とプレッシャーに来た」と振り返る。

 前線にボールが収まらず、思うようにポゼッションができない。後半10分過ぎからは鹿島の猛攻を浴びた。それでも後半14分のFWマルキーニョスのPKはGK山岸範宏がセーブ。同15分にはクロスバーに救われる場面もあった。山岸は同19分にもMF小笠原満男の決定的なシュートを防ぎ、足をつったDF山田暢久に代わって投入されたDF坪井慶介も体を張った守備を見せていた。

 「いつもみたいにボールを保持できなくて、流れの悪い中、失点しないように辛抱しようと話していた」と細貝が話した通り、後半35分には少ないチャンスを生かし、MFポンテが先制点を決めた。苦しいながらも理想的な試合展開。「ギシさん(山岸)がPKを止めてくれて、先に点を取って、完全に勝てるなと思っていた」とMF原口元気も言う“勝ちゲーム”だった。

 「自分のプレーが勝利に結び付かなかったのは悔いが残る。勝ち点2を逃した印象。しっかり試合を締め切れないのは自分たちに足りないところが多いということだと思う」。ビッグセーブを連発した山岸はそう言って唇をかんだ。

 イングランド2部レスターとの移籍交渉のためMF阿部勇樹が不在。ボランチでプレーしたMF柏木陽介もなかなかゴール前に絡むことができなかった。「人数が少ないのに前に行く場面もあったし、無理だったら下げて自分たちの時間を増やすことも大事。ロングボールがあってもいい。バリエーションがないと攻撃に幅が出ないし、穴を見つけてチャンスをつくることもできない」と厳しい表情で話していた。

(取材・文 西山紘平)

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