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8月未勝利の鹿島、後半50分の同点弾を反攻の狼煙に

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[8.28 J1第21節 浦和1-1鹿島 埼玉]

 8月を3分2敗の未勝利で終えた鹿島アントラーズにとって、MF本山雅志の劇的な同点ゴールは今後につながる一撃だった。

 敗色濃厚の後半50分、DF新井場徹の右サイドからのロングスローをDF岩政大樹が頭で落とす。「ボランチで入っていたし、前に詰めるよりセカンドボールを意識してちょっと後ろにいた」という本山がPA外から右足で狙い澄ましたシュートを放ち、ゴール右隅に流し込んだ。

 結果は勝ち点1。8月最終戦も白星を飾ることができず、首位・名古屋との勝ち点差は7に広がった。それでも選手は試合内容、そして土壇場でのドローという結果に手応えもつかんだ。

 岩政は「試合的にはいい試合だった。ここ何試合かできていなかった厳しさを出せたのはよかった」と言う。激しいプレッシャー、球際での厳しさ。浦和のパスサッカーを封じ、試合の主導権を握った。FWマルキーニョスのPK失敗がなければ、展開は大きく変わっていただろう。本山も「すごくいい試合だった。ボールも動いたし、ガツガツいって、大事なところではファウルで止まっていた。決勝をやっているようなゲームだった」と振り返る。

 リーグ戦はここで中断に入り、ナビスコ杯を挟んで2週間後に再開する。8月に勝てなかったことをネガティブに取るか、最後に追い付いたことをポジティブに考えるか。

 オリヴェイラ監督は「今まで最後のところで決め切れず、負けたり引き分けたりしていた。敗戦濃厚の状況から勝ち点を拾ったことはプラスに捉えた方がいい」と強調していた。「これから強くなります」とFW興梠慎三も言った。リーグ戦はここからが佳境だ。8月の悪い流れを断ち切り、3連覇中の王者が9月から反攻に転じる。

(取材・文 西山紘平)

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