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名古屋、首位キープの理由は“降格圏組への強さ”。楢崎「成長している」

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[8.28 J1第21節 名古屋1-0京都 瑞穂陸]

 名古屋グランパスは終盤に京都に押され、シュートも後半だけで12本(名古屋は4本)打たれるなどヒヤヒヤものだったが、1-0で逃げ切り首位をキープした。日本代表DF田中マルクス闘莉王は「苦しい試合になるのは分かっていた。こういう勝ち方が一番、大きい」と安堵の表情を浮かべた。

 前半こそ圧倒的にボールを支配。同23分には、ゴール前の混戦からMF金崎夢生がゴールを背にして体勢を崩しながらも右足アウトで押し込み、先制に成功した。後半、運動量が落ちて京都に差し込まれたが、何とか集中を切らさずに逃げ切って見せた。

 2点目が取れず、闘莉王は「2点目が取れたら楽になっていた。前半はうまくいっていたけど、後半はできなくなった。2点目が取れなかったのは自分たちのミス」と悔やみ、楢崎も「2点目を取らないといけない」と最下位の京都相手に1-0のため、反省も口していたが、それでも首位をキープしている理由は、取りこぼしがなくなったことだ。上位の川崎Fや鹿島、浦和には負けたが、今季は下位に負けていない。

 昨季はJ2に降格した下位3チームの柏、千葉、大分に6戦で3勝3敗と五分だった。しかし今季は現在の下位3チーム、仙台に1戦1勝、湘南に1戦1勝、京都に2戦2勝と無敗を誇っている。そのほかF東京に1戦1勝、横浜FMに1戦1勝、山形に1戦1勝している。日本代表GK楢崎正剛は「完璧ではないですけどね。最終的には勝ち点3が取れているのは、成長していると思う」とチームに“勝ち切る強さ”がついてきたことを口にした。

 「相手がどうとかではなく、どの試合も大事になる。難しい試合が続くが、しっかりと勝っていきたい。勝ちきってる? いろんな武器があるので。個人を活かすプレーを心がけている。チームとして戦いながら、個人の特徴を活かすのが大事」

 楢崎は名古屋らしさを貫くことを強調した。今季はこれまであったケネディの高さ、玉田のスピードに加え、闘莉王の勝負強さ、ダニルソンの破壊力、金崎のテクニックと様々な“武器”が加わった。まだこれらは“熟成”仕切っておらず余力を残す。これらの“最高の素材”をみんなで活かし合い、頂点を極めるつもりだ。

<写真>名古屋GK楢崎

(取材・文 近藤安弘)

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