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横浜FM、2季ぶりの3連勝! 兵藤の2発などで川崎Fを撃破

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[9.11 J1第22節 川崎F1-3横浜FM 等々力]
 J1第22節の1日目が11日に各地で行われ、川崎・等々力陸上競技場では5位の川崎フロンターレと7位の横浜F・マリノスが対戦した。気温32度の猛暑の中で行われた一戦は、MF兵藤慎剛の2得点などで横浜FMが3-1で勝利。2008年シーズン以来となる3連勝をつかんだ。川崎Fは3連敗で優勝戦線から大きく後退した。
 川崎Fは、日本代表MF中村憲剛が連戦の疲労を考慮されてベンチスタート。右手中指を骨折したDF森勇介は強行先発した。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森、菊地光将、佐原秀樹、小宮山尊信。ボランチは稲本潤一と横山知伸、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオール、2トップはジュニーニョと黒津勝が組んだ。
 横浜FMは、日本代表DF中澤佑二が負傷欠場。DF栗原勇蔵も日本代表のパラグアイ戦で負傷していたが、間に合った。システムは4-4-2でGKは飯倉大樹、DFラインは右から天野貴史、栗原、松田直樹、波戸康広。ボランチは河合竜二と小椋祥平、2列目は右に中村俊輔、左に兵藤慎剛、2トップは山瀬功治と小野裕二が組んだ。
 開始57秒、川崎Fが先制に成功した。左CKをV・ジュニオールが入れ、こぼれ球をファーサイドでジュニーニョが反応し、左足を押し込んだ。その後、川崎Fが勢いに乗り、持ち味の縦に速い攻撃を仕掛ける。V・ジュニオールのドリブルを活かして押し込んだ。
 しかし、なかなか2点目が奪えない。結果、横浜FMが盛り返す。中村俊輔を中心につないでサイドを使う。また小野、山瀬の縦の動きを行かすべく長いボールも入れた。だが、川崎Fがしっかりとブロックを作って跳ね返す。横浜FMはバイタルエリアでの精度を欠いて崩しきれなかった。
 前半も中盤に入ると、横浜FMがセカンドボールを拾い始め、リズムをつかむ。セットプレーも多く得て、チャンスを作った。前半21分、右からのクロスに小野が飛び込む。ここでGK相澤と接触してしまい、少し足を痛めた。同29分には栗原が右サイドから約30mの強烈右足ロングシュート。鋭い弾道でゴールマウスを襲ったが、GK相澤が何とか弾き出した。
 その後も横浜FMペースで試合が進む。前半31分、栗原の縦パスを小椋が落とし、兵藤が仕掛ける。しかし、シュートを決めきることはできなかった。同33分にはPA右で小野がヒールパス。これを山瀬が受けて突進するが、左足のシュートは枠を外してしまった。
 前半48分、攻め続けていた横浜FMがようやく1点を返した。中央やや遠目の位置で、中村俊輔がPA左にスルーパス。右SB森とCB菊地の間にうまく通し、山瀬功治が走り込む。山瀬はドリブルで突進し左足で同点弾を決めた。直後に前半は終了した。
 
 後半も横浜FMペースで試合が進んだ。川崎Fは8日のナビスコ杯から中2日で、大半の選手の足が止まっていた。そして後半4分、横浜FMが逆転弾を決めた。中盤でパスを受けた兵藤慎剛がフリーでミドルシュート。約27mと遠めだったが、GK相澤の手を弾いてゴールネットに突き刺した。
 横浜FMが完全にリズムをつかみ、優位に進める。後半5分、小野に代えてMF長谷川アーリアジャスールを投入した。しかし、連戦で疲労が蓄積しているはずの川崎Fは、交代のカードをなかなか切らなかった。
 そして後半18分、横浜FMが大きな3点目を決めた。右サイドで、中村俊輔がDFラインを切り裂く縦パスを入れる。これに山瀬が反応しPA内へ。ドリブルから折り返し、左から入り込んだ兵藤慎剛が右足でシュート。3-1と突き放した。
 川崎Fは後半22分、ようやく交代のカードを切った。稲本に代えてMF谷口博之、黒津に代えてMF中村憲剛を送り出した。谷口はFWに、憲剛は2列目に入れて巻き返しを狙った。
 これで川崎Fがやや息を吹き返した。憲剛にボールを集め、打開しようとする。しかし、横浜FMも粘りを見せて跳ね返す。横浜FMは後半34分、兵藤に代えてFW坂田大輔を投入した。山瀬が中盤に入り、坂田は長谷川と2トップを組んだ。
 川崎Fは後半40分、菊地に代えてルーキーFW小林悠を投入。横山をCBに下げた。しかし、その1分後、横浜FMが好機を作る。カウンターから小椋がスルーパス。山瀬が走り込んでシュートするが、GK相澤にセーブされた。
 直後、横浜FMは後半42分に山瀬に代えて狩野健太を投入。中盤の運動量アップを狙った。川崎Fは後半ロスタイム、カウンターから小宮山が強烈なミドルシュートを放ったが、GK飯倉に弾かれゴールならず。そのまま横浜FMが3-1で勝利した。 
 横浜FMは中5日で迎えたのに対し、川崎Fは8日にナビスコ杯があったため中2日での試合だった。内容、結果ともに日程の差がそのまま出た試合となった。
(取材・文 近藤安弘)

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