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33.6度猛暑マッチ。大宮が助っ人トリオの3発で快勝

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[9.11 J1第22節 大宮3-0清水 NACK5]
 ゆりかごダンスあり、来日初ゴールあり。2連敗で降格圏の16位に沈んでいた大宮アルディージャが、ラファエル、マト、李天秀のゴールで3位の清水エスパルスを3-0で下し、貴重な勝ち点3を手に入れた。

 国籍の違う3人の助っ人が、それぞれの持ち味を出した。先制したのは前半45分。圧倒的な個人技を持つブラジル人FWラファエルは、33・6度の暑さと連戦の疲労で足が止まりつつあった清水のDFラインのギャップを狙う。中盤でのパス回しから金沢慎が絶妙なスルーパスを出すと、一瞬で裏に抜け、右足で流し込んだ。
 
 「暑い中、全員がハードワークしたことで勝ち点3を得ることができた。ゴール前でああいう動きをするのは自分の特徴。良さを出すことができた」。ラファエルは自画自賛だ。

 大宮の得点は第19節広島戦以来3試合ぶり。アシストした金沢の第3子誕生を祝い、歓喜のゆりかごダンスが始まる。加えて、待望の先制点はチームのJリーグ通算200ゴールでもあった。オレンジ色のスタンドが沸いた。

 後半もホームと日程の利を生かし、運動量で相手を上回った。追加点が入ったのは、反攻に出る清水がヨンセンを投入してから6分後の後半17分だ。藤本主税の左CKにクロアチア人DFマトが高い打点で合わせて2-0。「いいボールが来た。得点のタイミングが良かった」と笑顔を浮かべた。

 この時点で勝利を大きく手繰り寄せた大宮だが、最後に、残り12試合の行方をうらなう大きな1点が入る。
後半28分、韓国人FW李天秀がカウンターからラファエルのパスを受け、スピードを生かして中央突破。GKと1対1になり、右足で冷静に決めた。

 5日の天皇杯カマタマーレ讃岐戦で来日初ゴール(2得点)を決めていたが、今回はリーグ戦初ゴール。「前回は格下相手だったがゴールの感覚が戻って来ていたことが良かった」とホッとした表情を浮かべた。

 後半39分には岡崎慎司の飛び出しを止めようとした坪内秀介が一発退場処分を受け、終盤は10人での戦いとなったが、優勝争いをするチームから勝ち点3を奪ったこと、そして李天秀に初ゴールが生まれたことは大きい。大宮にとっては上昇機運につながるであろう価値ある一勝だった。
(取材・文 矢内由美子)

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