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ナビスコ組の清水は3失点で痛い取りこぼし

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[9.11 J1第22節 大宮3-0清水 NACK5]

 前節の川崎F戦で連敗を3で止めたばかりの清水エスパルスが、下位の大宮アルディージャを相手に3失点を喫して敗れた。
 
 条件の違いが運動量にモロに出た。ホームの大宮は天皇杯から中1週間で日本代表選手がゼロ。一方、敵地に乗り込んだ清水は、この間にナビスコカップ準決勝の2試合を挟んでおり、川崎F戦からの2週間で5試合をこなしている。加えて、日本代表にも岡崎慎司藤本淳吾を送り込んでいた。
 
 連戦の疲労を考慮した長谷川健太監督は、8日にあったナビスコカップFC東京戦から先発メンバーを4人入れ替えてこの試合に臨んだが、やはり条件の差は大きかった。

 前半から明らかに動きが悪く、セカンドボールを取ることができない。パスに対してもドリブルに対しても寄せが甘く、終始ボールを支配される。
 
 しかも、「前半0-0でOKと思っていた」(岩下敬輔)ところ、ハーフタイムに入る直前にラファエルに先制を許し、後半、ヨンセンを入れて点を取りに行った直後にも痛い2点目を喫するという、精神的なダメージも負い込むような展開。岩下が「2点目は痛かった」と振り返ったように、その後は反撃しようにも足が動かず、逆にトドメの3点目を失った。

 藤本は「攻撃のほうでイージーなミスが出てしまった。暑さも勘弁してくれという暑さ。途中でへばると思ったが、その通りだった」と肩を落とした。

 救いは、チームの士気が依然として高く、和も失われていないことだ。

 リーグ初先発のFW長沢駿は「何もできなかった。せっかくのチャンスをものにできなかった。オカちゃんにも思い切ってやれと言われていたのに」とうなだれたが、「オカちゃんは試合後、わざわざ謝ってくれた」と、日本代表選手の気遣いに頭を下げた。

 その岡崎は、「あいつ(長沢)は持ち味を出して、いい動きをしてくれた。チーム全体、特にいつも出ている僕たちがあいつの良さを生かしてやらないといけない」と後輩をかばいつつ、「ここは我慢するところ。切り替えていくしかない。シュートが打てているので悪いことばかりでもない」と前を向く。

 長谷川監督は「結果はしゃあないと思っています。選手はよく戦ってくれたし、言い訳はしたくない。まだ12試合ある。何とか(優勝争いに)食らいついて行きたい」」とさばさばした口調で、早速、次節の浦和レッズ戦へと気持ちを切り替えていた。
(取材・文 矢内由美子)

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