beacon

[選手権予選]船橋北“元代表DF小村効果”で千葉16強

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.11 第89回全国高校選手権千葉県2次予選 船橋北 1-0 柏南 市原スポレクD]

 第89回全国高校サッカー選手権千葉県大会2次予選が11日に行われ、全国高校総体予選8強の船橋北は柏南に1-0で勝利。決勝トーナメント(16強)進出の権利を手にした船橋北は10月30日の決勝トーナメント1回戦で東京学館と対戦する。

 小村効果だ! 船橋北は今年1月から廣田吉紀監督の松江南高、順天堂大時代の後輩にあたる元日本代表DF小村徳男氏(元横浜FMなど)が臨時コーチとして月1回チームを指導。「ヘディングはステップとジャンプだ」と自身の最大の武器だったヘディングのコツを選手たちに教えてきた。

 「彼はヘディングで生きてきた選手。額に当てるところも3ヵ所を使うことを教えてもらいましたし、来てもらった日はクリアの角度、方向、落とす位置までも徹底的に教えてもらった」と指揮官。その言葉通り、堅守がウリの船橋北は、空中戦で全くほころびが生じない。

 そして決勝ゴールを生んだのも頭からだった。0-0のまま迎えた後半4分、船橋北はMF柳田広夢(3年)が鋭いステップワークから右サイドをえぐり、絶妙なクロス。ファーサイドの180cmFW江本直哉(3年)が頭で叩き付けると、待望の先制点となった。

 この日、10番MF杉浦一馬(3年)を負傷で欠いた船橋北。右の柳田、左の稲垣貴洋(3年)の両翼と抜群のフィジカルパワーを持つ江本に2年生MF石丸純を絡めた攻撃で立ち上がりから決定機を量産していたが、柏南の2年生守護神、荒井歩にことごとくストップされ、リードを奪うことができなかった。
 逆に柏南は相手のミスパスに狙いを定めるFW橋本修造(3年)のインターセプトから1年生FW菊池慧がシュートへ持ち込んだほか、マイボールになると小坂和之、井上大樹の両MFらがフリーランニングを繰り返してくる。夏8強の船橋北有利と見られた一戦だったが、柏南は負ければ引退の3年生たち中心に食い下がった。だが小村氏仕込みのヘディングの強さとディフェンス陣の集中力で上回る船橋北が1-0で勝利。想定していた苦戦をしっかりと勝ちきった。

 現在部員100人の大所帯である船橋北も廣田監督が就任した8年前は部員6人だったという。そこから力をつけ、指揮官が「練習メニューは違っても練習開始も終了も常に100人一緒。100人全員で強くなってきた」と言い切るチームは、市立船橋とPK戦の大熱戦を演じた08年以来2年ぶりの決勝トーナメントでどのようなドラマを起こすか。

<写真>後半4分、船橋北FW江本(右)が決勝ゴール
(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

TOP