beacon

[選手権予選]総体日本一・市立船橋への第1挑戦権は柏陵に:千葉

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.11 第89回全国高校選手権千葉県2次予選 市原八幡 1-3 柏陵 市原スポレクD]

 柏陵が4年ぶりの千葉16強進出を決めた。第89回全国高校サッカー選手権千葉県大会2次予選で市原八幡と対戦した柏陵は1年生MF中村優の2得点などにより、3-1で勝利。全国高校総体優勝の市立船橋と初戦を戦う決勝トーナメント進出を果たした。

 この冬、全国王者への最初に挑戦する権利を得たのは柏陵だった。柏陵は前半6分、中村が左足で放った右CKが逆サイドのポストを叩いてそのままゴールイン。12分には1年生のロングスロワー、阿部竜也の左ロングスローが鋭い弾道でゴール前へと届く。これをFW長沼健太(3年)がダイレクトで頭で押し込みリードを広げた。さらに19分には左サイド後方から中村が蹴ったFKが、相手GKのミスを誘い3-0。吉田有政監督が「八幡さんの方がポゼッションはできるし、向こうの方が力は上だと思っていた」と振り返る相手から前半20分までに3点を奪い、柏陵は完全に優位に立った。

 市原八幡は風上に立った後半、流れを取り戻し、5分には威力を発揮し始めていたグラウンダーでのパスワークから1年生FW佐々木拓道が追撃弾。だが、この後攻め急いだ市原八幡はロングボール中心の攻撃となってしまい、「ウチはしぶといんです」と指揮官も微笑んだ柏陵から得点することができない。再三ゴール前まではボールを運んだものの、決定打を出せないまま試合終了を迎えてしまった。

 柏陵は今年、新人戦、総体ともに県大会初戦敗退。ただ「自分たちの代で結果を出せていなくて、最後ひとつでも上にいきたいと思っていた」とFW大沼竜平主将(3年)が振り返ったように、今大会へ向けて勝ち切るためのタフさを身に着けてきたチームは1次トーナメント決勝で昨年16強の東海大望洋にサドンレスのPK戦の末勝利。2次予選1回戦でも残り20分からの逆転で勝利をおさめた。

 チームのモチベーションを高めた理由のひとつにあるのが「全国王者と戦う」ということだった。組み合わせが決まった時点で2次予選を勝ち抜けば決勝トーナメント初戦の相手が総体日本一の市立船橋になることは決まっていたのだ。勝利を決め、応援団と喜びを爆発させた柏陵の次のターゲットは全国王者。すでに決勝トーナメント1回戦が行われる10月31日までの期間、チームは柏レイソルU-18を除くと、全て大学生との練習試合を組んだ。大沼主将は「市船に勝つ気でいく。今までで最高の試合をする」と宣言。目標の相手との差を少しでも縮めて、本番で一泡吹かせる。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

TOP