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5失点大敗で首位と勝ち点11差に、清水は事実上の"終戦"

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[9.25 J1第24節 清水1-5名古屋 アウスタ]

 勝ち点8差で迎えた首位・名古屋との直接対決。勝って勝ち点5差に迫り、優勝への望みをつなぎたかった清水エスパルスは後半2分に先制しながら、その後5失点を喫し、1-5で惨敗した。残り10試合で、名古屋との勝ち点差は11。逆転優勝は絶望的となり、事実上の“終戦”となった。

 前半は完全に中盤を支配し、理想的な試合運びを見せていた。後半2分にはMF枝村匠馬が先制点。ここまでは狙い通りだったが、3分後の同5分に警戒していたセットプレーから同点に追い付かれ、浮き足立った。

 「0-1も1-5も変わらない」。この日が45歳の誕生日だった長谷川健太監督は試合後そう言って、敗戦を受け止めた。絶対に勝ち点3が欲しかった。その気負いが選手を空転させた。

 FW岡崎慎司は「点を取られてから、決めにいかなきゃという気持ちがより強くなった」と言い、DF平岡康裕も「ホームで首位相手に負けられなかった。1-1になってから前がかりになって、こぼれ球を全部拾われて、カウンターでやられた」と唇をかんだ。

 追い付かれたとはいえ、試合は振り出しに戻っただけだった。0-0の状況だと思い、前半のようなサッカーを続けられれば、展開は変わっていたかもしれない。しかし、ピッチ上の選手たちは失点のショックに冷静さを欠き、立て直すことができなかった。

 DF岩下敬輔は今季2度目の一発退場となり、29日のナビスコ杯準決勝・広島戦、10月2日の鹿島戦が出場停止となる見込みだ。DF太田宏介も累積警告で鹿島戦は出場できない。さらにFW藤本淳吾が右太腿裏を痛めて負傷交代。重傷ではなさそうだが、「月曜日に病院に行く」と話しており、予断は許さない。状況は崖っ縁だ。

 「先のことを考えるのではなく、目の前の勝ち点3を積み重ねていくことしか残る道はない。ここで終わりじゃない。優勝はあきらめてない」。MF小野伸二が自分に言い聞かせるように話した一方、藤本は「力の差を感じた。1-5はちょっとへこむ」とうなだれていた。

(取材・文 西山紘平)

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