beacon

G大阪が残った! 川崎Fを2-1下して3位浮上!!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.25 J1第24節 川崎F1-2G大阪 等々力]

 J1第24節が25日に各地で行われ、川崎市・等々力陸上競技場では6位川崎フロンターレと4位ガンバ大阪が激突した。優勝戦線に生き残るために、共に負けられない一戦だったが、G大阪が2-1で勝利。今季最多タイの2度目の4連勝をつかみ、C大阪を抜いて3位に浮上した。川崎Fは勝ち点を伸ばせず首位・名古屋とは13差に開き、優勝は絶望的となった。

 川崎Fは先発予定だったMF中村憲剛が急な体調不良でベンチスタートになった。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。ボランチは横山知伸と稲本潤一、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップはジュニーニョと黒津勝が組んだ。

 G大阪は4-4-2でGKは藤ヶ谷陽介、DFラインは右から加地亮、中澤聡太、高木和道、安田理大。ボランチは武井択也と遠藤保仁、2列目は右に橋本英郎、左に二川孝広が入った。2トップはルーカスと宇佐美貴史が組んだ。

 試合の重要性を裏付けるように、両軍とも序盤から積極的にプレスを欠け、激しい攻守の入れ替えを見せた。ただ川崎Fのほうが中盤でミスが多く、そこをG大阪が突く。前半9分、田坂からボールを奪いカウンターに。安田のスルーパスに宇佐美が抜け出して左足を振り抜くが、不運にも左ポストをたたいてしまった。

 そんな中、G大阪がセットプレーから貴重な先制点を奪った。前半12分、DF中澤聡太が188cmの長身を活かしてゴールを決めた。左のショートCKで遠藤がファーサイドに入れると、高木が折り返す。これに中澤が反応。GK相澤がセーブに来たが、打点の高いヘディングで沈めた。

 その際、川崎Fはアクシデントに見舞わされる。中澤のヒジがGK相澤の右側頭部に入り、相澤は倒れこむ。強度の打撲だったのか大きなコブができた。治療の後にピッチに戻ったが、その後のプレーが不安視された。

 川崎Fは田坂のパス、V・ジュニオールの突破を活かして勝機を見出す。前半21分、田坂が一瞬の隙を見逃さなかった。中央でボールを受けると、相手DFラインが整っていないところを突き、裏へロングフィード。これにFW黒津勝がスピードを活かして突進。DF高木を交わしてシュートし、1-1の同点に追いついた。

 その後も中盤で激しい攻防が繰り広げられた。ともにショートカウンターを仕掛け、決定機を迎えるがゴールが決まらない。G大阪は前半38分、ルーカスのシュートのこぼれ球を宇佐美が詰めてシュートするが、枠を捉えられなかった。前半はこのまま0-0で折り返した。

 後半も、ともに攻守でアグレッシブなプレーを見せた。闘う姿勢が前面に出た激しい試合を展開した。川崎Fは後半17分、V・ジュニオールに代えて中村憲剛を投入。左MFに入れた。その3分後に決定機を迎えた。PA内でジュニーニョが個人技で突破し、狭いエリアながら最後は田坂にスルーパス。オフサイドギリギリで抜け出してGK藤ヶ谷と1対1になったが、ファインセーブに防がれた。その1分後には、憲剛のミドルシュートのこぼれ球をジュニーニョが押し込もうとしたが、わずかにGK藤ヶ谷に先に触られた。

 後半22分、両軍共に動いた。川崎Fが稲本に代えてMF谷口博之を投入。G大阪は二川に代えてFW平井将生を入れた。G大阪は後半31分、疲れの見えた宇佐美に代えてMF佐々木勇人を送り出した。その1分後には川崎Fもカードを切る。黒津に代えてFW矢島卓郎を投入。ポストプレーができ、ヘディングの強いストライカーに期待を寄せた。

 G大阪は後半34分に決定機が生まれる。平井が左サイドからクロスを入れ、ファーで佐々木が反応。走り込んで右足ボレーを放ったが、サイドネットに弾かれゴールはならなかった。試合はその後、ともに激しいカウンターの応酬となった。

 そして後半41分、G大阪が助っ人のミドル弾で勝ち越しに成功した。G大阪のゴールキックのこぼれ球をゴール約30m付近でルーカスが拾ってルックアップ。一瞬の判断からシュート体勢に入り右足一閃。強烈なミドルシュートで、なおかつこれがDF伊藤をかすめてコースが変わってゴールイン。土壇場で2-1リードを奪った。

 ロスタイムは3分。川崎Fはあきらめずに猛攻を仕掛ける。ロングボールを入れて押し込んだ。しかしG大阪が粘り強く守り、逃げ切りに成功。今季2度目の4連勝で3位に浮上した。優勝戦線への生き残りをかけた一戦は、見ごたえのある白熱した戦いだった。

<写真>決勝点を挙げたG大阪FWルーカス
(取材・文 近藤安弘)

TOP