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崖っ縁の鹿島、逆転Vへ3年前の奇跡再現なるか

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[10.2 J1第25節 鹿島1-1清水 カシマ]

 4連覇を目指す鹿島アントラーズがいよいよ崖っ縁に追い込まれた。シュート20本を浴びせながら決定力を欠き、1-1ドロー。首位名古屋との勝ち点差はさらに開き、残り9試合で今季最大の「9」となった。

 0-1の後半8分、MF小笠原満男の左CKにDF岩政大樹が頭で合わせ、同点に追い付くと、勝ち越しを狙って猛攻に出た。しかし、FWマルキーニョスがシュート7本を放ちながら無得点。後半41分にはMFフェリペ・ガブリエルのシュートはクロスバーを直撃し、跳ね返りを拾ったマルキーニョスの2連続シュートはいずれもDFのブロックに阻まれた。

 試合後は清水と同じようにDF伊野波雅彦やDF新井場徹ら鹿島の選手もピッチに倒れ込んだ。痛恨のドロー。それでも岩政は「(逆転優勝の)可能性があるかないかを考えるのは皆さんの仕事。僕らは次の試合に向けて準備するだけ」と話し、新井場も「勝ち点差を計算する必要はない。目の前の1試合1試合で勝ち点3を狙うだけ。勝ち点差は関係なしに、目の前の試合に勝って、相手がどうなるかを願うだけ」と力説した。

 状況が厳しくなったのは間違いない。しかし、まだあきらめる時期でもない。3連覇の始まりとなった07年も怒涛の9連勝で大逆転Vを果たした。当時も残り9試合で、首位浦和とは勝ち点10差あり、その差は残り5節まで変わらなかった。しかし、浦和がそこから3分2敗と大失速。鹿島にタイトルが転がってきた。残り9節。奇跡の再現を成し遂げるためにも、まずは自分たちが勝ち続けるだけだ。

<写真>肩を落とす鹿島選手たち
(取材・文 西山紘平)

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