beacon

浦和・啓太が10試合ぶりに復帰。「早くチームの力になりたかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.11 天皇杯3回戦 浦和2-0徳島 駒場]

 右ふくらはぎの肉離れで長期離脱していた浦和レッズの元日本代表MF鈴木啓太が、11日の徳島戦(駒場)で公式戦10試合ぶりに復帰した。2-0の後半29分にサポーターの暖かい声援を受けてピッチに登場。本職のボランチに入って逃げ切り完封勝利に貢献した。

 本人にとっても少し驚きの出場だった。先発が決まっていた8月14日のJ1・名古屋戦のウォーミングアップ中に負傷。リハビリを終え、この週の練習から完全合流したばかりだった。鈴木は「疲れましたね。あまりボールに触る機会はないかなと思っていましたけど、触る機会があった(笑)。患部は大丈夫ですが、体力的にきつかった」と苦笑い。ただ、試合復帰できた充実感があったようで、「勝利に貢献できてよかった。無失点というのはよかった。これからコンディションを上げていきたい」と完全復活へ強い意欲を示した。

 勝った上に、怪我上がりの選手を“試運転”できたことは大きい。浦和は現在、怪我人を多く抱えている。MF阿部勇樹が移籍してボランチは手薄になった。全体を見ても、MF山田直輝は右足骨折で今季中の復帰は微妙、その他、MFエスクデロ・セルヒロ、DFスピラノビッチ、DF宇賀神友弥らが負傷離脱中だ。MF梅崎司はベンチ復帰は果たしているが、まだ100パーセントではないという。経験豊富なベテランの復帰は、ACL出場、そして天皇杯制覇に向けて頼もしい。

 鈴木は「僕自身、早くチームの力になりたかった。僕だけじゃなく、峻希(高橋)も梅(梅崎)も帰ってきた。まだ他に、一緒にリハビリしてた宇賀神とか、セルヒオとかがいるし、直輝ももしかしたら間に合うかもしれない。怪我している選手が戻ってきて、いい意味で、出ている選手にプレッシャーをかけるというか、そういう競争があってもいい」と力強く言い切った。

 浦和はリーグ戦は勝ち点38の8位だが、ACL圏内の3位・C大阪とは勝ち点差6と、そう遠くない。くしくもJ再開後の16日にC大阪と対戦する。鈴木がスタメン復帰するかどうかは不明だが、ベンチに控えるだけで戦術の幅が広がることは間違いない。鈴木は「相手は調子もいいし、順位も上にいるけど、勝って少しでも順位を上に上げたい」と意気込んでいた。

(取材・文 近藤安弘)


▼関連リンク
第90回天皇杯特設ページ

TOP