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川崎F、楠神が決勝弾! 120分の死闘の末に横浜FCを下す

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[10.13 天皇杯3回戦 川崎F2(延長)1横浜FC 等々力]

 天皇杯3回戦の最終日が13日に各地で4試合が行われ、川崎市・等々力陸上競技場では川崎フロンターレ横浜FCが対戦した。後半36分、川崎Fからレンタル加入中の横浜FC・MF久木野聡が先制ゴールを決めたが、後半43分に川崎F・FWジュニーニョが同点弾を決めて延長戦へ。川崎Fは中2日の試合で疲労困憊だったが、途中出場のMF楠神順平が逆転弾を決めて2-1勝利。120分の死闘を制して4回戦に駒を進めた。

 川崎Fは10日のナビスコ杯・磐田戦から中2日だったが、スタメンはそのままのベストメンバー。4-4-2を採用しGKは相澤貴志、DFラインは右から森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。ダブルボランチは横山知伸と稲本潤一、2列目は右に田坂祐介、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップはジュニーニョと黒津勝が組んだ。

 対する横浜FCは4-4-2を採用。GKは関憲太郎、DFラインは右から柳沢将之、渡邉将基、早川知伸、野崎陽介。ボランチはホベルトと八角剛史。2列目は右が武岡優斗、左に高地系治が入った。2トップはカイオと難波宏明が組んだ。

 立ち上がりから川崎Fが個人技を活かして中盤を支配。サイドを使って仕掛けた。しかし、決定力不足に苦しむ。前半7分、PA右をジュニーニョ、V・ジュニールとつないで最後は正面で黒津がシュートを放つが、左へ外してしまう。同9分、再びジュニーニョのスルーパスをPA左で受けた黒津がシュートまで行くが、右に外してしまった。

 横浜FCはブロックを作って引いて守り、カウンターを狙う。だが、簡単にはボールが奪えないため、守備一辺倒となった。だが、セットプレーでチャンスを作る。前半21分、右からのFKに難波が飛び込む。ヘディングはわずかに合わなかったが、うまくマークを交わせた。その後もロングボールを多用するが、なかなかカイオに合わせることはできなかった。

 川崎Fは前半36分、V・ジュニオール、ジューニョとつないでPA右を崩し、最後はPA内左の黒津にスルーパスを出そうとしたが、うまくかみ合わなかった。その後、川崎Fは中2日の影響かややスローダウン。だが、横浜FCも効果的なカウンターが出来ず、前半は0-0で折り返した。

 後半、開始直後に横浜FCがゴールを脅かす。同2分、高地が左サイドをドリブルで仕掛けてシュート。わずかに外れたが、強烈な一発だった。川崎Fは同8分、カウンターで応戦。右サイドをジュニーニョが仕掛けて中央の田坂へ横パス。しかし、シュートはわずかに上に外れた。同18分には横浜FCがカウンター。カイオが仕掛けて最後は難波にパスを出すが、シュートまで行けなかった。

 横浜FCは後半22分、難波に代えてFWエデルを投入した。対する川崎Fは同27分、一気に2枚の交代カードを切った。黒津に代えてFW矢島卓郎を、稲本に代えてMF谷口博之を送り出した。

 横浜FCは後半28分、ゴール前でこぼれ球を野崎が拾い強烈右足ミドル。これは何とかGK相澤がパンチングで防いだが、川崎Fは冷やりとする場面が増えた。横浜FCは同32分、川崎Fからレンタル移籍中のMF久木野聡を投入した。

 横浜FCが立て続けに好機を作る。後半32分、カイオが左サイドを抜け出して左足シュート。さらにその1分後、PA正面で久木野が反転からシュート。いずれもGK相澤にセーブされたが、この攻撃でリズムを引き寄せた。

 そんな中、後半37分に横浜FCが大きな先制ゴールを奪った。右サイドで、武岡のキープから柳沢が絡んで右クロス。これを中央に走り込んでいた久木野聡がヘディングシュートを決めた。“古巣”への手痛い恩返し弾となった。

 川崎Fは後半39分、最後のカードとして菊地に代えてMF楠神順平を投入。田坂をボランチに、横山を最終ラインに下げて、攻撃的な布陣に変更した。これがプラスに働いたのか同43分、川崎Fが執念で同点に持ち込んだ。

 V・ジュニオールの右CKを中央でジュニーニョが体を張って陣取り、右足を合わせて貴重な同点弾を叩き込んだ。後半44分、横浜FCはホベルトに代えてMF根占真伍を投入した。ロスタイムは3分。川崎Fはボールをつなぎ、V・ジュニールがフリーでシュートするシーンもあったが、GK関にセーブされ1-1のまま延長戦に突入した。

 延長前半5分、横浜FCがセットプレーでチャンスを作った。右サイドのFK、柳沢が蹴り込み、武岡が頭を合わせたが、わずかに上に外れた。川崎Fは同8分、縦パスに矢島が走り抜けるが、シュートはDFにブロックされCKとなった。同9分にはPA右で森のパスにジュニーニョが抜け出しシュートを放つが、わずかに左に外れた。

 延長前半はともにゴールなく、同後半戦へ突入した。ともにカウンターを狙うが、疲労困憊で要所でのパスミスやトラップミスが増える。だが同5分、川崎Fが大きな大きな逆転弾を決めた。左サイドでボールを受けた楠神順平がドリブルで仕掛けて左45度から右足シュート。綺麗な弧を描いてゴール右隅に突き刺して2-1とした。

 横浜FCは最後まであきらめずに粘りを見せた。後半15分、右サイドからクロスを入れ、横浜FC選手がヘディングシュート。これはGK相澤がセーブ。だが、こぼれ球を渡邉が右足でシュートし、ゴールネットに突き刺した。だが何と味方選手がオフサイドポジションにおり、ゴールは無効に。川崎Fは何とか逃げ切りに成功。120分の死闘の末、J1の意地を見せて2-1勝利をつかんだ。

(取材・文 近藤安弘)


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