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湘南、4-4-2の新布陣が機能。反町監督「久々の湘南劇場という感じ」

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[10.16 J1第26節 湘南1-1鹿島 平塚]

 湘南ベルマーレは昨年から常用している4-3-3から4-4-2にシステム変更したが、これがプラスに働いた。セカンドボールが拾え、ショートカウンターが鹿島相手に機能する場面があった。ダブルボランチの一角に入ったMF坂本紘司は「(これまでの試合で)失点シーンは、バイタルを突かれていた。ダブルボランチになって、チャレンジ&カバーがうまく出来た」と手ごたえを口にした。

 これまでは中盤はアンカーを置いていた。これだと、アンカーは引き気味の位置にいるため、やられるとすぐにバイタルエリア、という状態に陥っていた。だが、ダブルにしたことでよりラインが上がり、一人がアタック、もう一人がカバーという状況が作れた。これによりラインも上がり、万が一やられても、ゴールまで少し距離があり、対処できるという状況が出来た。

 鹿島のMF中田浩二も「相手は前から来ていた。セカンドボールも拾われた」というとおり、4-4-2にしたことで、より前からプレスにいけるなど、うまく戦術が機能した。反町康治監督は「きょう朝、新聞でtotoの投票率を見たら、引き分けも一桁、こちらの勝ちも一桁……。そういう実力差を考えると、鹿島に対してどう守り、どう攻撃するか、というのも今日のゲームの戦い方、要するにゲーム戦術が半分を占めていた。みんな、それぞれタスクを与えて、そのタスクをしっかりやることができた」としてやったりの表情を浮かべた。

 「久々の湘南劇場という感じですかね、最後のロスタイム。相手の前のほうは、見ていただいてもわかるように、私もよく食べますが牛丼でいうと、はやい、うまい、安い……なんですがそこはお金が高い、という三拍子揃っている選手なので、まだ我々のクオリティとは雲泥の差がある。だが、そうした選手に対してひとりダメだったら2人目、3人目と粘り強くやった。その粘り強さがそのまま我々のゴールの粘り強さに繋がっているのでは」と反町監督から久々の“軽口”も聞かれた。

 今後、4-4-2を継続するかどうかは未定だが、王者相手に機能していたことは間違いない。「勝点3を取ったらもっと手放しで喜べるが、非常に狙いのあったいいゲームだった。残り8試合になり、シーズン終了までカウントダウンが始まっていますが、ほとんど週1のゲームなので、またいいトレーニングをして、いい準備をしたい」と反町監督。17位の京都も引き分けたため、順位は最下位だが、J1残留圏15位のF東京とは勝ち点8差に縮めた。残り8試合、奇跡を信じてあきらめずに戦い続ける。

(取材・文 近藤安弘)

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