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[MOM335]清水東DF秋山元気(3年)_“現役最終戦”飾る豪快「ベストゴール」

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.23 全国高校選手権静岡県大会2次L最終戦 清水東 4-2 静岡西 浜松海浜]

 静岡西の追撃の手が清水東を捉えかけていた後半38分、背番号2が一撃でその流れを断ち切った。中央右寄りでボールを持ったMF増田湧介主将(3年)のパスがピッチを横切るように中央へ入り込んだ左SB秋山元気(3年)の元へと通る。一瞬左へ体重移動してから切り替えして右足を振りぬいた背番号2の強烈なシュートに、GKは一歩も動くことができなかった。

 勝利を決定付ける4点目。「いつもよりも攻めあがって、点取りたいと思っていた」と秋山ははにかんだ。2次リーグで連敗し、すでに敗退が決定。この2次リーグ最終戦に勝っても、負けても「次」はなかった。
 将来的に再開する可能性を示唆しながらも、一般大学受験を考えているという秋山にとって、本格的な形でのサッカーはこの試合が最後。リスクを負ってでも自分の持っている武器を出し尽くそうと思っていた。そして奪った勝利を決定付けるゴール。ラストゲームで奪ったゴールに「この舞台で、いい形で終われたのはよかった。公式戦でのベストゴール。出来過ぎです」と微笑んだ。

 サッカーから受験勉強へのスイッチ。「これまでサッカーしかしていない。でもサッカーだけじゃなく、勉強もできるところを見せたいですね。切り替えてやります」。サッカーだけに情熱を傾けてきた高校3年間から新しい人生へ、「ベストゴール」で最高のスタートを切った。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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