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王者に完敗の横浜FM、8位に後退

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 勝てばACL圏内に大きく近づく一戦で黒星。横浜F・マリノス鹿島アントラーズに0-2の完敗を喫した。

 鹿島の中盤を捕まえ切れず、守備で後手に回った。特に手を焼いたのは1・5列目に入った本山への対応だ。変幻自在なポジショニングに付き切れず、フリーで正確なパスを出させてはピンチを招くのも仕方ない。前線の興梠のスピードにも対応できなかった。

 「1点目は届いたと思ったけど届かなかった。2点目はちょっと対応が遅れたのもあるけど、うまくシュートを打たれた」。日本代表DF栗原勇蔵が唇をかみしめる。本山の動きを封じることができなかったことを指摘されると、「うちら(センターバック)の前でフリーになることが多かった。そこを抑えるのか、興梠につくのかあいまいになってしまった。うまいと言えばそれまでだが、パスもすごいいいし、抑えられなかった」と言い、宙を見つめた。

 流れを引き寄せるタイミングがないわけでもなかった。前半11分、微妙な判定で取られたPKの場面で、GK飯倉大樹がMF小笠原満男のキックを左手一本で弾き出す好セーブ。「PKを止めてくれたので流れをこちらに寄せたかったけど、それもできなかった」と栗原は悔しがる。

 惜しまれるのは攻撃でもいいところがなかったことだ。直接FKを決めた10日の天皇杯J2鳥栖戦後に風邪をひき、前節の神戸戦を欠場したMF中村俊輔が強行出場したが、チャンスも少なかった。だが、中村は言う。「結果的にこうなったのは残念だけど、サポーターの信頼をまた勝ちとるために、頑張って一丸となっていいプレーをするしかない」

 3位のガンバ大阪との勝ち点差は7。目標のACL圏内に入るにはもう一つも落とせないような状況に、トリコロールの戦士たちは「切り替えるしかない」と口をそろえた。
(取材・文 矢内由美子)

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