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川崎Fは痛恨ドロー。憲剛は「前に進んだ勝ち点1ではない」、稲本は審判に憤慨

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[10.24 J1第27節 大宮2-2川崎F NACK]
 川崎フロンターレはまさか、まさかのドローとなった。勝てばC大阪を抜いて4位に浮上する好機で失敗。勝ち点45とし順位は5位をキープしたが、最低目標に掲げるACL出場圏3位のG大阪に同4差をつけられた。首位の名古屋とは同12差に広がってしまった。
 立ち上がりは最高だった。エースFWジュニーニョは負傷欠場したが、前半5分に代役として今季リーグ戦初先発したFW矢島卓郎が今季初ゴールを決めて先制に成功した。同11分にはDF森勇介が追加点を決め、前半を2-0で折り返した。しかし、後半に大宮が息を吹き返し、これに川崎Fがリズムを失ってしまった。
 「(後半開始の)5分以内に失点してしまった。うまく最初の15分は相手の勢いをいなしたかった。うちも前から正直に向かって行ってしまった。2-0で追いつかれたのがこの試合の結果のすべて。前に進んだ勝ち点1ではない」
 日本代表MF中村憲剛がうなだれたように、注意していた序盤に失点した。後半4分、セットプレーからGK相澤貴志のミスもあってDF深谷友基にこぼれ球を決められ1点を返された。その後も川崎Fは相手の激しさ、カウンターに苦戦する。そして同24分には、ゴール前の混戦から途中出場のFW石原直樹に押し込まれ、一気に同点に追いつかれてしまった。
 元日本代表MF稲本潤一も「開始5分で入れられてる。集中力というか、注意が足りない。向こうが激しく来て、多少、受身に回ったところがある。下位のチームは激しいプレーをしてくるが、跳ね返す力をつけないといけない」と課題を口にした。
 “運”もなかった。前半44分、PA内でFW黒津勝が倒されたが、ファールの判定はなし。後半41分には途中出場のMF横山知伸がユニフォームを引っ張られて倒されたが、これも岡田正義主審の笛はならなかった。
 横山は「つかまれた感じがしたんだけど……」と小声で振り返ったが、途中交代しベンチで見ていた稲本は「審判で試合が変わるというのが多々ある。前半の相手のシュート(前半21分、金澤慎のミドル弾)は入っていたし、こちらはPKが2回あった。審判で勝敗が決まる試合はなくして欲しい。両方とも気持ちいい終わり方ではない。審判もレベルを上げてもらわないと」と怒りをあらわにした。
 中村憲剛も「審判も人間なんでしょうがない」といいつつも、「きょうは基準が良くわからなかった」と不可解な判定の多さを嘆いた。ただ、審判のジャッジについては大宮も同じ状況だった。
 憲剛は「チャンスはあった。3点目を入れられれば良かった」と圧倒的に押し込んでいた前半に追加点が取れなかったことを悔やんだ。残り7節。優勝は厳しいが、ACL出場の3位以内を果たすには、もう、取りこぼしは許されない。
(取材・文 近藤安弘)

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