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ナビスコ杯準決勝と同カード、川崎F-磐田は1-1ドロー

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[10.30 J1第28節 川崎F1-1磐田 等々力]

 J1第28節は30日に第1日が行われ、川崎市・等々力陸上競技場では川崎フロンターレジュビロ磐田が激突した。台風による大雨&暴風の中で行われた一戦は1-1ドローに終わった。川崎Fは勝ち点を46に伸ばし4位に浮上。磐田はこれで4勝3分けと7試合連続負けなしとなった。

 川崎Fは前節に続きエースのジュニーニョが負傷欠場。右SBの森勇介、ボランチの稲本潤一が出場停止で不在だった。システムは4-4-2でGKは相澤貴志、DFラインは右から、攻撃MFから配置転換された田坂祐介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。ボランチは横山知伸と中村憲剛、2列目は右に楠神順平、左にヴィトール・ジュニオールが入った。2トップは矢島卓郎と小林悠が組んだ。小林はリーグ戦初先発となった。

 対する磐田はベストメンバー。システムは4-4-2でGKは川口能活、DFラインは右から山本康裕、古賀正紘、イ・ガンジン、山本脩斗。ダブルボランチは那須大亮と岡田隆、2列目は右に西紀寛、左に船谷圭祐が入った。2トップはジウシーニョと前田遼一が組んだ。

 10月10日のナビスコ杯準決勝第2戦(等々力)に続く対戦。5位の川崎Fは、試合前に得失点差で4位のC大阪が負けたため、引き分け以上で4位に浮上するチャンスを迎えた。対する11位の磐田はJ1残留をより確実にするため、また11月3日に控えたナビスコ杯決勝につなげるために、勝っておきたい試合だった。

 最初に好機を作ったのは川崎F。前半4分、PA右で得たFKをV・ジュニオールが左足で狙う。ゴール左下を上手く突いたが、GK川口に右手で弾かれた。同13分、今度は磐田が反撃。西がドリブルで中央を仕掛け最後はPA右の前田へ。エースは右足を一閃し強烈な一撃を放ったが、惜しくもクロスバーに直撃した。

 台風接近による大雨の中での一戦で、ともに精度が必要とされるバイタルエリアでの崩しに苦労する。前半15分、川崎FはPA右で受けた楠神がドリブルからシュートを放つが、わずかに左に外れる。同31分には憲剛のスルーパスからV・ジュニールが抜け出し左足でシュート。GK川口が弾いたしたところを楠神がボレーシュートを放つが、上に外してしまった。

 その後、一進一退の攻防が続き決定機はなし。0-0のまま前半を終えた。後半、ともにメンバー交代なくスタートした。雨、風ともにさらに強くなり、悪環境の中で試合が進む。序盤、磐田にアクシデントが起こった。岡田が負傷し、後半10分に急きょMF上田康太と交代した。

 後半、ともに雨の影響でミスが続発しボールがうまく収まらない。そして同18分、両軍ともに交代のカードを切った。川崎Fは楠神に代えてFW黒津勝を、磐田は船谷に代えてFW成岡翔を送り出した。

 そして後半23分、磐田が先制点を奪った。PA右で山本康が左足シュート。 これはGK相澤が何とかセーブしたが、こぼれ球を成岡が広い、西が右クロス。ファーで待ち受けていたジウシーニョがヘディングシュートを放った。一度はGK相澤に弾かれたが、そのこぼれ球を再びジウシーニョが押し込んで1-0とした。

 川崎Fは後半25分、小林に代えてMF谷口博之を投入。FWの位置に入ってゴールを狙った。その2分後、磐田は西に代えてMF菅沼実を送り出した。磐田は何とか守りきりたいところだったが、川崎Fが同点に追いついた。

 前半31分、中村憲剛がPA左に陣取っていた矢島卓郎にスルーパス。ジューニョの代わりに2試合連続で先発した背番号15は、反転してDFを交わし右足を一閃。落ち着いて蹴り込んで2試合連続となるゴールを決め、1-1と試合を振り出しに戻した。

 試合はその後、さらに雨と風が強まり、お互い本来の良さが発揮できない。それでも後半45分、磐田が決定的なチャンスを迎える。右サイドをジウシーニョが突破しクロス。これに走り込んだ前田がヘディングシュートしたが、やや体勢を崩した影響か、何と右に外してしまった。後ろから田坂に押されようにも見えたが、笛はならなかった。試合はそのまま1-1で終了。台風の悪天候の中で勝ち点1を分け合った。

<写真>激しい雨の中、勝ち点1を分け合い、試合後に握手をかわす中村憲剛(右)と前田遼一

(取材・文 近藤安弘)

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