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前田が決定機2度外し猛省。「次はしっかりと決めて勝ちたい」とナビスコ杯決勝に闘志

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[10.30 J1第28節 川崎F1-1磐田 等々力]

 11月3日のナビスコ杯決勝(国立、広島戦)に向けてはずみをつけたかったジュビロ磐田だが、追いつかれて1-1のドローとなった。それでも、これで4勝3分けと7試合連続負けなしでチーム状況はいい。実際、数選手が台風にアウェーという状況の中、勝ち点1を奪ったことに安堵していた。だが、エースだけは違った。

 「勝てなかった、というほうが大きい。悔いが残る? はい。最後、決定的な状況で外してしまった。みんなに申し訳ないです……」

 日本代表FW前田遼一は悔しさをにじませた。1-1の後半45分、ジウシーニョが右サイドを突破してクロスを入れた。前田はドンピシャのタイミングで走りこんだが、ヘディングシュートはわずかに右に外れた。映像で見る限り、後方から川崎Fの田坂祐介に押されたようにも見えたが、前田は「弱冠押されましたけど、関係なく決めたかった」と枠に飛ばせなかった責任を背負い込んだ。

 この日はシュート2本のみに終わったが、いずれも絶好機だった。もう一本は前半13分で、こちらもPA右内でのシュートをクロスバーに当ててしまった。「枠に入れたかった」。2度の決定機を外し猛省していた。

 2試合連続無得点で、得点王を走るFWケネディ(名古屋)の16得点から3点差をつけられた。だが、存在感は抜群だった。横殴りの雨、ボールの軌道を変える暴風に見舞われながらも、「球際にしっかり行こうと思った」と振り返ったように、テクニックを発揮してルーズボールを処理。味方の動きを引き出した。ゴール前ではマークを引き付け、ジウシーニョや西らをプレーしやすくさせていた。

 ナビスコ杯決勝でも、前田のデキがカギを握ることは間違いない。「きょう取れなかったので、次はしっかりと決めて勝ちたい」と意気込みを語った前田。口数が少なく物静かなストライカーは、言葉ではなく、行動で示す-がモットーだ。この日の悔しさをエネルギーに変え、4日後の聖地・国立決戦でのゴールにつなげる。

(取材・文 近藤安弘)

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