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[選手権]“桜旋風”日大藤沢、インハイ雪辱果たし4強進出:神奈川

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[10.31 全国高校選手権神奈川県大会準々決勝 日大藤沢 1-0 湘南工科大附 麻溝]

 第89回全国高校サッカー選手権神奈川県大会準々決勝でともに全国出場経験を持つ日大藤沢と湘南工科大附(旧相模工大附)が対戦。FW本澤康光(2年)の決勝ゴールにより、日大藤沢が1-0で勝った。日大藤沢は11月7日の準決勝で桐蔭学園と対戦する。

 桜色のユニフォームが歓喜に舞った。0-0で迎えた後半18分、日大藤沢は左CKのクリアボールを拾ったMF梶原翼(2年)が左クロス。ゴール前の混戦で10番MF関森悠斗(3年)が、体を投げ出すようにしてボールに絡むと、最後はゴールエリアへこぼれたボールを本澤が難なく右足でゴールへと押し込んだ。左コーナー目掛けて一直線に走りだした背番号19はコーナーフラッグにキスするパフォーマンス。駆けつけたイレブンとともに決勝点となったゴールを喜んだ。
 
 今夏の全国高校総体予選準々決勝で2-3で敗れている湘南工科大附との再戦。同じ準々決勝の舞台で同じ失敗をするわけにはいかない。前回の反省を生かして相手のキーマンである10番MF藤戸和輝(3年)の動きを慎重に封じながら、無駄を排除したシンプルな縦への攻撃でゴールへ迫った。30年ぶりの全国を目指す湘南工科大附は試合終盤、左SB矢田拓也(3年)の右足ミドルやCB山本光(2年)のヘディングシュートで反撃したが、気迫で上回る日大藤沢から得点することは最後までできなかった。

 関森や左サイドのドリブラー、FW篠原佑輔(3年)、アンカーのポジションから狭いスペースへのパスを通していた2年生MF中田泰輔ら個性あるプレーを見せる。だが金井隆太(現東海大)らを擁して頂点に立った07年のチームに比べると1ランク、2ランク劣る評価。それでも佐藤輝勝監督は「この子達でも全国へ行けるんだ、この子達でもできるんだというところまで持っていきたい」と意気込む。
 
 その中で選手たちが徹底しているのは「気持ちで絶対に上回ること」。CB鈴木拳斗主将(3年)は言う。「気持ちで負けたら負け。自分たちの気持ちが上だったら絶対勝つ。どのチームにも同じ気持ちです。だから自分たちはずっと全国制覇だと言っている」。

 指揮官が「残ったチームは全部自分たちより強い」と分析する4強。度々グラウンドを訪れるという金井ら県優勝メンバーたちから勝つためのアドバイスを随時受けている日大藤沢は、秋の神奈川で3年前のように再び桜旋風を巻き起こすことができるか。

(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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