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[MOM344]米子北FW谷尾昂也(3年)_Vもたらす2発「もっと強く、もっとゴールを」

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.31 全国高校選手権鳥取県大会決勝 米子北 3-0 境 とりぎんバードスタジアム])

 エースの意地が重要な一戦で爆発した。昨年、全国高校総体準優勝、全日本ユース(U-18)選手権ベスト8という快挙を成し遂げ、一躍全国区になった米子北。その中で全国総体得点王になるなど、FW谷尾昂也(3年)の知名度は飛躍的に増した。だが、同じ昨年の選手権予選決勝では、境の鉄壁の守備を最後まで切り崩せないまま、敗戦のときを迎えてしまった。

 「チャンスが多かったのに、決められなかった。本当に悔しかった」。

 この経験が彼を突き動かし、今年はエースとして、ゴールを量産することを誓った。しかし、インターハイではわずか1点しか挙げられず、エースとしての仕事は果たせなかった。

「自分でもゴールに向かう姿勢が足りないと痛感した。なので、もっと対人の強さや、相手を引きずってでもゴールに向かっていくプレーを増やそうと思った」と、彼はフィジカルトレーニングや貪欲にゴールに向かう姿勢を普段のトレーニングから意識的に取り入れた。そしてこの試合、高さがあり、長い滞空時間を生かしたヘッドと巧みなポストプレーで周りを生かしながらも、果敢にゴールを狙った。

 そして14分には左CKに対し、ファーサイドからニアサイドにスッと飛び込んで、鮮やかなヘッドを逆サイドネットに流し込んだ。20分にもうまくDFとGKの間のスペースに入り込んで、技ありのバックヘッドを決めた。

 両チーム最多の4本のシュートを放ち、そのうち2本をゴールに結び付けて、5年ぶりとなる選手権の扉を開いてみせた。「ずっと選手権に出られず、出たいという強い思いがあった。ようやく出られるので、選手権ではゴール前でもっと強くなって、ゴールを決められるようにしたい」。よりストライカーとしてゴールへの渇望を増した姿を、自身初の選手権のピッチで見せられるように。この日、彼は新たな決意を胸に誓った。

(取材・文 安藤隆人)
【特設】高校選手権2010

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