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名古屋・楢崎のミスで敗戦も、最短で20日にV! ピクシー「運命は私たちが握っている」

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[11.7 J1第29節 鹿島1-0名古屋 カシマ]

 試合終了のホイッスルが鳴り響くと、グランパスイレブンはがっくりと肩を落とした。鹿島サポーターの声援が痛いほど耳に響き、GK楢崎正剛は遠くを見つめる。名古屋グランパスは勝てば王手、引き分けでも他クラブの結果次第で次節には優勝という状況だったが、ちょっとした連係ミスで黒星を喫した。

 「きょうは一つのミスでやられた」。会見でストイコビッチ監督が悔しそうに振り返ったが、それは後半14分、マルキーニョスの決勝点につながるミスだった。シュートを打たれる前のプレー。楢崎がスローインで右前にいたマギヌンにパスを送ろうとしたが、ジウトンに狙われた。マギヌンが足をピッチに取られたこともあって出足が遅れて奪われ、そのままマルキへパスを通された。まさに一瞬の出来事。ゴールネットが揺れた瞬間、楢崎は悲痛な表情を浮かべた。

 「あれは自分のミスです。マギヌンに投げたけど、意思疎通ができていなかった。勝てば優勝に王手だった? 次の試合、頑張りたい。鹿島に勝てないと、優勝できないわけじゃない。1週間、しっかりと準備をして次の試合を戦いたい」と楢崎は反省を口にし、気持ちを切り替えた。百戦錬磨の守護神に起きてしまったミス。これも優勝へのプレッシャーなのか。はたまた……。ストイコビッチ監督は「我々は何も変わっていない。8月からずっと首位にいる。残り5試合、我々は優勝に値する試合をする」と代弁した。

 次節の優勝こそなくなったが、残り5試合で2位の鹿島に勝ち点差を8つけていることは事実。つまり、ここから2敗しても首位をキープすることができる。現状では他力もあるが、最短で20日の第31節・湘南戦となる。次節、名古屋はホームで大宮と対戦するが、鹿島は川崎Fと激突。3位のG大阪も広島と対戦と上位陣が潰し合う展開となる。Vロードは名古屋に優位に進んでいることは間違いない。ストイコビッチ監督は「運命(優勝のキャスティングボート)は私たちが握っている。最終的に成功したい」と力強く宣言した。

[写真]名古屋のストイコビッチ監督

(取材・文 近藤安弘)

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