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[選手権]連覇達成!!西武台が滝二への“リベンジ”胸に、全国へ:埼玉

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[11.21 全国高校選手権埼玉県大会決勝 西武台 6-0 正智深谷 埼玉ス]

 第89回全国高校サッカー選手権埼玉県大会の決勝が21日行われ、今夏の全国高校総体で3位に輝いた西武台が正智深谷に6-0で快勝し、連覇を達成。3回目の全国選手権出場を決めた。

 今夏の悔しさは忘れていない。西武台の持ち味はなんといっても、守備意識の高さからくる「耐える力」。しかし全国高校総体準決勝では、その持ち味を見せることができず、滝川二(兵庫)に叩きのめされて0-4と屈辱の敗戦。攻め込まれた時間に耐え切れずに失点すると、そこから崩され、大量失点につながった。「悔しさは忘れていない。同じことは繰り返さない」。選手たちの強い思いが今回の大勝につながった。

 「あの3本のピンチを耐えられず、1点でも入れられていたら分からなかった」と西武台の守屋保監督が振り返った通りに、前半は正智深谷に主導権を握られた。11分には早くもピンチが訪れる。ロングパスに抜け出した正智深谷MF高橋竜之介(2年)が左サイドからPA内へドリブル突破。最後はフリーでシュートを放たれたが、わずかにポスト右へ外れた。

 同33分にも中央でキープしたMF内田航平(2年)のパスを受けた田中が右サイドからアーリークロス。野中に頭で合わされるが、シュートはクロスバー上方へ外れていった。36分にも内田にバイタルエリア中央へ持ち込まれると、個人技でDF3枚が交わされ、強烈なミドルシュートを打たれてしまう。

 ただこのシュートをGK小澤章人(3年)が好セーブ。三度のピンチを耐えたことが西武台の勝利につながる。正智深谷ペースのまま、終了するかと思われた前半の39分、ゲームは動いた。MF中村聡一朗(3年)の浮き球パスをFW佐々木雅人(3年)がPA右手前で受けると同時に、飛び出してきたGKを交わす。最後はDF4枚がPA内へ戻ってきていたが、佐々木は落ち着いて右足を一閃。このシュートがゴールネットを揺らし、西武台が少ないチャンスをものにした。

 1点リードで迎えた後半からは、完全に西武台の試合になる。まずは6分、MF阿部祐希(3年)がPA左からドリブル突破し、最後は中央の佐々木が右足ワンタッチで押し込み、追加点。12分には左SB大迫翔太(3年)のロングパスを佐々木がワントラップで足下につけ、右足を振りぬき、ハットトリックを達成した。

 さらに後半20分、FW清水慎太郎(3年)とのワンツーから抜け出した佐々木がPA左からシュート。GKが弾いたボールを右SB澤本玲(3年)が頭で押し込み、4点目を決めた。

 連続失点に呆然とする正智深谷を尻目に得点を重ねる西武台は、後半32分にも清水が右サイドからドリブルで仕掛け、PA内へ持ち込むとGKを引き付けてラストパス。これを10番MF末松光(3年)が無人のゴールへ右足で流し込み5-0とすると35分にも澤本がドリブルでDF、GKを交わして最後は右足でこの日2点目となるゴールを決めた。6点リードを奪った西武台は、GKも含む4人の3年生をピッチへ送り出す貫禄の勝利。笑顔で試合を終えた。

 試合後、守屋監督は「前半が甘くなってしまって、ゲームプランが全て崩れた」と話しながらも「1点入れられていたら、この展開はなかった。よくピンチを凌いだと思う」と前半立て続けに攻め込まれながらも耐え抜いた選手たちをねぎらった。
 
 「選手権では出来れば国立で滝二とやりたい」。選手たちは口々に国立の舞台で滝川二へのリベンジを誓った。まずは挑戦権は獲得した。この決勝戦で滝川二戦の反省を活かし、耐え切る姿勢をみせ、同じ轍を踏むつもりもないことも証明した。夏の雪辱を返すため、その準備は整った。

[写真]先制ゴールを喜ぶ西武台の選手たち

(取材・文 片岡涼)
【特設】高校選手権2010

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