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[MOM361]西武台FW佐々木雅人(3年)_メッシ&ビジャで生まれた?!自身初の3発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.21 全国高校選手権埼玉県大会決勝 西武台 6-0 正智深谷 埼玉ス]

 自身初のハットトリックが、大舞台で生まれた。耐える時間帯が続き、なかなか攻撃に出られない。苦しさが続く中、待望の先制点から怒涛のハットトリックを決めたのは西武台FW佐々木雅人(3年)だ。

 一瞬の隙をついての飛び出しだった。0-0で迎えた前半終了間際の38分、MF中村聡一朗(3年)からの浮き球のパスに合わせて走り出し、PA右手前でGKと向き合う形でボールを受けた。GKが飛んだ足下を抜いてボールを前へ送ると、倒れこんだGKを尻目にドリブルで持ち込み、ゴール左へシュートを沈めた。先制点を決めて勢いづいた佐々木は、この後に2得点を挙げるハットトリックの活躍。「練習試合ではあったけど公式戦でのハットトリックは初めてです」と笑顔をみせた。

 会場入り前からイメージトレーニングを重ねていた。この日の午前中に大学の入試があった佐々木は、入試を終えて埼玉スタジアムまでの電車内、ipodでFWリオネル・メッシ(バルサ)とFWダビド・ビジャ(バルサ)のシュートシーンの動画をひたすら見ていた。身長が167cmの佐々木にとって169cmのメッシのプレーは、まさに手本。「自分は体が小さいのでドリブルで抜くシーンとか裏に抜ける動きとかが参考になる。いつも試合前に見ています」と、この日もいつも通り、ゴールシーンを見て気持ちを高めていった。

 そして、試合が始まるとチームを勢いづけるハットトリックの活躍。それでも「ゴール前で落ち着けなかった。もっと判断を上げられるようにしたい」と貪欲に語り、全国での目標については「自分の特徴は裏に抜けるプレーだと思う。選手権では1試合1得点は取っていきたい」と意気込んだ。

 試合後、「メッシのようなプレーは出来なかった」と笑って話した佐々木だが、押し込まれた苦しい状況を一人で打開し、流れを引き寄せたハットトリックは、まさに“メッシ並み”。全国の舞台でもその活躍をみせることができるか。

[写真]決勝の大舞台で公式戦初のハットトリックを決めた佐々木

(取材・文 片岡涼)
【特設】高校選手権2010

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