[11.23 J1第32節 鹿島 1-2 磐田 カシマ]

　23日、J1は第32節を行い、茨城県のカシマスタジアムで行われた2位・鹿島アントラーズ対11位のジュビロ磐田戦は2-1で磐田が勝った。

　ナビスコ杯制覇のあと勝利のなかった磐田が、公式戦5試合ぶりとなる勝ち点3を獲得した。試合の流れを引き寄せたのは得点ランキング3位タイの14ゴールを挙げているエースFW前田遼一だ。前半4分、右サイドを駆け上がったMF那須大亮の右クロスがDFに当たりコースが変わる。だがPAへ落ちてくるボールに「那須がいいボールをくれた」とタイミングよく走りこんだ背番号18が頭でゴール左隅へと押し込んだ。

　13分に奪った2点目の起点も前田だった。左サイドでボールを持った前田は前後から寄せてくる相手2選手を十分に引き付けてから、タッチライン際を走るSB山本脩斗へ浮き球パス。これで抜け出した山本脩がフリーで悠々とクロスを放り込むと、DFジウトンを置き去りにして中央へ走りこんだFWジウシーニョが左足ボレーでゴールへねじ込んだ。

　守備陣の粘り強い守りも勝利の一因。特にGK川口能活だ。前半終了間際にセットプレーから失点したものの、後半18分にはMFフェリペ・ガブリエルの右足ミドルを右手ワンハンドでセーブ。その後もDFラインの背後へボールを送ってくる鹿島の攻撃を素早い飛び出しで封じ続ける。そして37分にはFWマルキーニョスのヘディングシュートとFW大迫勇也の決定的な右足シュートを立て続けにストップ。後半ロスタイムにもDF岩政大樹の至近距離からのシュートを止めた川口は、試合終了の笛とともに満面の笑顔で勝利を喜んだ。

　これでチームは02年9月の勝利を最後に続いていた対鹿島戦15試合連続未勝利の不名誉な記録をストップ。価値ある勝利の原動力となり、2年連続得点王の期待も高まるエース・前田は残り2試合へ向けて「自分はチームが勝つためにプレーしている。全部の試合で勝てるように頑張る」と誓っていた。

(文　吉田太郎)