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神戸は2度のリード守れずドロー。攻撃のキーマンが負傷離脱へ

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[11.23 J1第32節 大宮2-2神戸 NACK]
 16位のヴィッセル神戸は先制、勝ち越しと2度のリードを奪いながら大宮に追いつかれた。この試合の前、勝ち点差1で15位のF東京が名古屋に勝ったため、J1残留のためには是が非でも勝ち点3が欲しかったが、逆に同3差に広がってしまった。
 「経験の浅さが出た。つながなくていいところをつないで取られたり……。それで失点を招いた。若い選手だから経験が浅いわけではない。ブラジルには16歳の選手でも、何をしないといけないか判断できる選手がいる。年齢じゃない」
 司令塔のボッティが嘆いた。前半14分にMF朴康造が先制弾を決めて勢いに乗った。だが後半22分にセットプレーから失点。その後、同32分にオウンゴールで勝ち越したが、1点が守れない。相手にカウンターを受け、後半40分に同点とされた。
 この同点弾の時点で、ボッティはすでにベンチに下がっていた。朴もベンチに。ピッチ上にはCBに31歳の小林久晃がいたが、試合のリズムを作るボランチや2列目に経験豊富な選手はいなかった。結果論だが、試合を上手く落ち着かせることができず撃ち合いに発展。直後に同点弾を招いたため、ボッティは唇をかんだ。
 残り2試合を残して勝ち点32で、15位のF東京と3差がついた。そんな苦しい状況に“泣きっ面に蜂”な事態が起こった。攻撃的MFで中心選手の朴康浩が後半13分に途中交代しているが、何と左足のかかとを負傷したことが判明。試合後は松葉杖を付いて、バスに乗り込んだ。
 「前半の10分くらいに、ジャンプした時の着地で、かかとがぐねっとなった。かかとが腫れてて足が着けない。次は厳しいかもしれない」と朴は、次節27日の清水戦の欠場を示唆した。骨に異常があるかどうか、あす24日に検査を受ける予定だが、軽傷を祈りたいところ。朴は「最終戦は間に合いそう? そこに向けて調整したい。まだ可能性はある。最後まであきらめずにやりたい」と声を振り絞った。
 「あと2試合、可能性がある限り選手たち、私たちスタッフは、頑張る。何が起こるか分からないのが勝負の世界。最後まで頑張りたい」と和田昌裕監督はネバー・ギブアップを強調した。厳しい状態だが、奇跡は起こすためにある。勝たなければいけない残り2試合。神戸は最後までJ1残留を信じて戦い抜く。
(取材・文 近藤安弘)

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