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Vのち黒星。名古屋はホームで笑顔の優勝報告できず憮然

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[11.23 J1第32節 名古屋0-1 F東京 豊田]
 前節の湘南戦で、3試合を残して悲願の初優勝を決めた名古屋グランパスが、残留争いの崖っぷちに立つ15位F東京の前に無得点で黒星を喫した。初優勝の美酒に酔いしれてから中2日。ストイコビッチ監督が「モチベーションの問題はなかった」と振り返ったように、選手たちは「ホームのサポーターに白星を見せたい」と意気込んでピッチに立ったが、多少の疲労と達成感による気の緩みは隠しきれなかった。

 アウェイの平塚スタジアムでの優勝決定後、新幹線で名古屋に戻り、祝勝会とメディア対応が夜中の2時まで続いた。その影響か、立ち上がりから押し込まれる。序盤の連続CKのピンチを何とかしのいだものの、鋭い出足と人数をかけた攻撃で迫る相手に対し、徐々に受け身になっていった。

 前半終了間際には、DF森重真人とペナルティーエリア内で小競り合いとなったDF田中マルクス闘莉王が反スポーツ的行為で警告を受け、乱闘寸前になる場面も。球際の争い、オフザボールでのポジショニング合戦でもチーム全体にいらいらが募っていった。

 後半23分、指揮官はDF千代反田充を入れて闘莉王とケネディの2トップでゴールを奪う作戦に出たが、相手より多い合計17本のシュートを放ったものの、結局最後まで点を入れることはできなかった。

 「負けたことは悲劇ではないが、選手には(サポーターに対して)責任がある。いいサッカーを見せよう、勝ちにいこうと話していたが出来なかった。すべては責任という言葉に集約できる」とストイコビッチ監督。ブラジルから応援に駆け付けた父・パウロ隆二さんに勝利をプレゼントできなかった闘莉王は「負けは負け。僕としては非常に悔しい」と唇をかんでいた。
(取材・文 矢内由美子)

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