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C大阪のロンドン世代、左SB丸橋がブレ球ミドルで勝利に貢献

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[11.28 J1第33節 湘南0-4C大阪 平塚]

 C大阪の“アジアへの道”に希望を残したのは、同じくアジアへの挑戦を狙う20歳だった。0-0の後半8分、中央約25mの付近でボールを受けたDF丸橋祐介は得意の左足を一閃。強烈な一撃はブレ球となり、GK野澤洋輔の手を弾いてゴール右に突き刺した。この1点が呼び水となり、4発快勝をもたらした。

 「練習でやってたのが、うまく入って良かった。(チームメートにも)ちょつと(ブレ球に)なってたよと言われたので良かったです。シュートはどんどん狙おうと意識していました」

 照れくさそうな笑顔を浮かべ、控えめに話したが、さすがの一発だった。今季、メキメキと頭角を現し、4バックにシステム変更した夏場に左SBのレギュラーを獲得。7月14日の広島戦以降、22試合連続で先発出場している。ゴールこそこれで2得点だが、持ち味の正確な左足のキックで攻撃の“スパイス”となり、躍進を支えた。

 丸橋は2012年のロンドン五輪世代だ。先日行われたU-21日本代表のアジア競技大会は、クラブでレギュラーの選手は“免除”されたため不参加だったが、A代表も含めて決して人材が豊富と言えない左サイドバックで将来が期待されている。

 「試合はチラチラ見てました。やっぱ少し気になりました。優勝したし、刺激になりました」。大会中はC大阪のチームメートのMF黒木聖仁やMF山口螢が参加していたため、連絡を取り合って情報を得ていたという。同世代のライバルたちは下馬評を覆して金メダルを獲得した。Jでの実績などを考えれば丸橋ら“残留組”のほうが実力は上と見られるが、来年からはロンドン五輪に向けたアジア予選が始まり、丸橋は代表定着を目指しているだけに、うかうかしていられない気持ちになった。

 くしくも、この日は日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督、原博実強化担当技術委員長が視察に訪れた。ザック監督は五輪代表の相談役も務める予定で、良いアピールになったはずだ。

 「まずはC大阪で結果を残して、それからですね。残り1試合、しっかり勝ちたい。ACLにつながれば」と丸橋。2位鹿島、3位G大阪とは勝ち点差1あり、自力でのACL出場はないが、奇跡を信じている。20歳の成長株は、2011年はチームでも代表でもアジア舞台で、そしてその先にある“世界”で戦うことを思い描いている。

[写真]C大阪DF丸橋

(取材・文 近藤安弘)

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